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「未見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

未見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
いてよかった。私を忘れないで下さい。私は、あなたを忘れていた。(一行あき。)その未見の親友の、純粋なるくやしさが、そのまま私の血管にも移入された。私は家へかえっ....
映画時代」より 著者:寺田寅彦
やがて映画の上にも新鮮な何物かを生み出しそうな気がする。アヴァンガルドというのは未見であるが、ともかくもわれわれはフランス映画の将来にある期待をかけてもいいよう....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
生活する私の外には何物をも見ない。私は乗り越え乗り越え、自分の力に押され押されて未見の境界へと険難を侵して進む。そして如何なる生命の威脅にもおびえまいとする。そ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
と、それから二年ほどたって、「木太刀」の星野麦人君の手を経て、神戸の堀江君という未見の人からシナの操り人形の首を十二個送られました。これも三つばかりは毀れていま....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
女が仆れていた。 老女は猿のような形で、その腰には矢が立っていた。しかし彼女は未見の人ではなく、李公が曾て雲南に在ったときに雇い入れた奉公人であった。雲南地方....
北氷洋の氷の割れる音」より 著者:寺田寅彦
は」と聞いたら「否」と答えたきりで黙ってしまった。海流の研究の結果から氷洋の中に未見の島の存在を予報したこの人には「日光」や「カブキ」は問題にならなかった。地球....
放生津物語」より 著者:田中貢太郎
っていたところで、昨年の暮になって風邪が元で亡くなり、その新らしい霊牌を持って、未見の嫁と孫がまだ深かった北国の雪を踏んで尋ねて来た。数年前に老妻を失っても悴が....
黒百合」より 著者:泉鏡花
目前荒鷲と戦っている。しかも事の行懸りから察し、人の語る処に因れば、この美少年は未見の知己、千破矢滝太郎に相違ない。千破矢は華族だ、今渠が来れ、共にこの労を慰め....
呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
く呉先生の著書の幾通が偶然か否か私の手に入ったためか、その頃まだ少年であった私が未見の呉先生に対する一種の敬慕の心は後年私が和歌を作るようになって、正岡子規先生....
箱根熱海バス紀行」より 著者:寺田寅彦
を使わない遠足会の仲間入りをした外にはほとんど馴染のない土地である。それで今度は未見の箱根町まで行って湖畔で昼飯でも食って来ようということになった。自分達の外出....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
はけっしてない。ジャン・クリストフの眼つきに接しただけですでに、世界に散在してる未見の友人らは、この作品の源泉たる悲壮な友愛、この勇壮な気力の河流が出てきた豊饒....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
ームのおもしろさを覚えられたなら、おのずから、拙者もひとつ新トリックを工夫して、未見の友に挑戦してやろうというボツボツたる雄心を起すに相違ない。クリスチー、クィ....
暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
ように、腕椅子にもたれ寄りながら云った。 「どうでしょう、――自分の周囲に未知の未見の人間が、何か策動していて、しかもその上に妻がもう一寸刻みに、殺されてゆくと....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
可全らの名前があった。これらは皆同郷の先輩であったが非風、古白、可全三君の外は皆未見の人であった。明庵というのは前の大蔵次官の勝田主計君の事である。 藤野古白....
西航日録」より 著者:井上円了
およそ百マイルにして首府ダブリンに着す。途上一詠あり。 鉄車百里向西倫、野外風光未見春、遥憶故国三月末、東台山下賞花人。 (汽車で行くこと百里、西のロンドン(ダ....