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未開
「未開〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
未開の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ではありません。(微笑)今までにない盗みの仕方、――それも日本《にっぽん》と云う
未開の土地は、十字架や鉄砲の渡来と同様、やはり西洋に教わったのです。
わたしは....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ま》である。若《も》し自然の名のもとに如何なる旧習も弁護出来るならば、まず我我は
未開人種の掠奪《りゃくだつ》結婚を弁護しなければならぬ。
又
子供に....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
の田園を偲《しの》ばしむる大原野、魚族群って白く泡立つ無限の海、ああこの大陸的な
未開の天地は、いかに雄心勃々《ゆうしんぼつぼつ》たる天下の自由児を動かしたであろ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て顔を見た。 胸の血汐の通うのが、波打って、風に戦いで見ゆるばかり、撓まぬ膚の
未開紅、この意気なれば二十六でも、紅の色は褪せぬ。 境内の桜の樹蔭に、静々、夫....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
まず約一〇万年の間人類は一種の精神的冬眠の状態にあったのでいかなる点でも現在の最
未開な自然民俗に比べて相隔ることいくばくもない有様であった。いわゆる文化民俗の発....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
ニユー・デイール、國際的にはマーシヤル・プラン、更に最近に到つては全世界にわたる
未開發地域援助方策等は、それ自身が大なる統制主義の發現に他ならぬ。その掲ぐるデモ....
「転機」より 著者:伊藤野枝
ならなかった。最初はいいかげんな甘言にのせられて、それぞれ移住して、ある者は広い
未開の地をあてがわれて、そこを開墾し始めた。しかし、それは一と通りや二通りの困難....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
「 」白にする。 十六 時に、伏拝むのに合せた袖口の、雪に
未開紅の風情だったのを、ひらりと一咲き咲かせて立って、ちょっとおくれ毛を直した顔....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
荊棘に阻まれるべきは、元より覚悟の前であらねばならぬ。われ等の啓示は往々にして、
未開なる古代人の心を通じて漏らされた啓示と一致せぬ箇所がある。これは使用する器の....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た。彼の想像はさらにひろがって、こういうものを即座に現金にかえて、その金を広大な
未開地に投資して、荒野のなかに板ぶき屋根の宮殿をつくることもできよう、などと考え....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
に一任し、本国政府においてはただ報告を聞くに止まりたるその趣は、彼の国々が従来|
未開国に対するの筆法に徴して想像するに足るべし。 されば各国公使等の挙動を窺え....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
と縁を包んで、欄干が遠く見えてぼうとなった。その霞に浮いて、ただ御堂の白い中に、
未開紅なる唇が夜露を含んで咲こうとする。…… 「あれえ。」 声を絞ると、擬宝珠....
「迷信解」より 著者:井上円了
るものあれば、その霊魂が乗り移りて己を悩ますようになると信じておる。これは、古代
未開の時代に病気の起こる原因を知らざりしときの迷信が、今もって愚民の間に行われて....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
市街市街の設計でも一斑を知ることか出来るが、米国風の大農具を用いて片っ端からあの
未開の土地を開いて行こうとした跡は、私の学生時分にさえ所在に窺い知ることが出来た....
「釣」より 著者:アルテンベルクペーター
やフォオクや皿の音が聞える。投げられた魚は、地の上で短い、特色のある踊をおどる。
未開人民の踊のような踊である。そして死ぬる。 小娘は釣っている。大いなる、動か....