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「末っ子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

末っ子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
居たのです。佐吉さんの兄さんは沼津で大きい造酒屋を営み、佐吉さんは其《そ》の家の末っ子で、私とふとした事から知合いになり、私も同様に末弟であるし、また同様に早く....
狂言の神」より 著者:太宰治
、ゆいしょ正しき煙管屋《きせるや》の若旦那。三代つづいた鰹節《かつおぶし》問屋の末っ子。ちがいますか? くだんの新内、薄化粧の小さな顔をにゅっと近よせ、あたりは....
人間失格」より 著者:太宰治
の家では、十人くらいの家族全部、めいめいのお膳《ぜん》を二列に向い合せに並べて、末っ子の自分は、もちろん一ばん下の座でしたが、その食事の部屋は薄暗く、昼ごはんの....
ロマネスク」より 著者:太宰治
耳にぶっ放したい発作とよく似た発作におそわれたのであった。突きおとされた豆腐屋の末っ子は落下しながら細長い両脚で家鴨《あひる》のように三度ゆるく空気を掻くように....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
わたしはよくよく子供に運がない」 おまきはいつも愚痴をこぼしていたが、それでも末っ子の七之助だけは無事に家に残っていた。しかも彼は姉や兄たちの孝行を一人で引き....
最後の胡弓弾き」より 著者:新美南吉
》でかこまれた大きい小学校があって、その前に学用品を売る店が道の方を向いていた。末っ子の由太のためにたのまれた王様クレヨンを買った。小僧がそれを包み紙で包むのを....
物のいわれ」より 著者:楠山正雄
の子を持ったおかあさんがありました。総領が太郎さん、二ばんめが次郎さん、いちばん末っ子のごく小さいのが、三郎さんです。 ある日、おかあさんは、町まで買い物に出....
おおかみと七ひきのこどもやぎ」より 著者:楠山正雄
、さっしてみてください。 やっとのことで、おかあさんやぎは、泣くことをやめて、末っ子やぎといっしょに、そとへ出ました。原っぱまでくると、おおかみは、やはり木の....
次郎物語」より 著者:下村湖人
、どうも次郎にしっくりしなかった。弟の俊三はまだ生まれて三年たらずではあったが、末っ子で、はじめから母の乳房で育ったためか、誰に対しても無遠慮な振舞いがあり、次....
次郎物語」より 著者:下村湖人
も俊三によけい親しんでやらなければならないということ、親しんでやっているうちに、末っ子のせいか、自分ながら不思議なほど彼に愛情を感じ出したということ、また、次郎....
次郎物語」より 著者:下村湖人
ったのである。――頭もよく、学校の成績などは、兄弟のうち誰よりもすぐれていたが、末っ子の気持はまだぬけていず、次郎にすすめられても、白鳥会にもはいらなかったぐら....
次郎物語」より 著者:下村湖人
る。次郎にくらべてやや面長な、いくぶん青味をおびた顔に、才気がほとばしっており、末っ子らしいやんちゃな気分が、その態度や言葉つきにしみでている。 次郎は答えな....
接吻」より 著者:神西清
婦人、藤色の衣裳をつけたどこかの令嬢、例の人参色の頬髯の青年――これはラッベクの末っ子とわかったが、そうした連中は頗る手際よく、まるで予め稽古でもしておいたよう....
雷嫌いの話」より 著者:橘外男
、お父さん! 今日はこっちの方角だから、そう大して、鳴らないよ! と、中学二年の末っ子などは、御注進に駈けつけて来てくれる。 「バカバカ、何言ってる、大きな声を....
あの世の入口」より 著者:知里真志保
いたものである。 おれには父さん母さん大きい兄さん小さい兄さんがあった。おれは末っ子で、みんなに可愛がられ、何不自由なく暮らして、今はあちらこちら走り使いにや....