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末年
「末年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
末年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
うです。年代にすると、黒船が浦賀《うらが》の港を擾《さわ》がせた嘉永《かえい》の
末年にでも当りますか――その母親の弟になる、茂作《もさく》と云う八ツばかりの男の....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
ん、土匪も洒落《しゃ》れたもんだね。」
「何、黄などは知れたものさ。何しろ前清の
末年《ばつねん》にいた強盗蔡《ごうとうさい》などと言うやつは月収一万元を越してい....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
橋との菩提を弔うために出家したともいい、ある町家の入り婿になって七十余歳で明和の
末年まで生きていたとも伝えられている。お光のことは猶わからない。 治六が佐野へ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
と髪の毛とを残しているのみで、その形はなかった。 画中の人 これも貞元の
末年のことである。開州の軍将に冉従長という人があって、財を軽んじて士を好むという....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ら四十余年前の銀座である。その記憶を一々ならべ立ててもいられないから、ここでは歳
末年始の風景その他を語ることにする。 由来、銀座の大通りに夜店の出るのは、夏の....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
れることになったのです。その官員さんという方は、その後だんだん偉くなって、明治の
末年まで生きておいででして、そのお家は今でも立派に栄えておりますから、そのお名前....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
一 Y君は語る。 これは明治の
末年、わたしが東北のある小さい町の警察署に勤めていた時の出来事と御承知ください。....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
一 「やあ、あなたも……。」と、藤木博士。 「やあ、あなたも……。」と、私。 これは脚本風に書くと、時は明治の
末年、秋の宵。場所は広島停車場前の旅館。登場人物は藤木理学博士、四十七、八歳。私....
「兜」より 著者:岡本綺堂
見すごすに忍びないような気がしたからであった。 かれはその兜を形見として明治の
末年に世を去った。相続者たる邦原君もその来歴を知っているので、そのままに保存して....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
の意義や価値は分からないのだ。 二 ロメン・ロオランは、前世紀の
末年から現世紀にかけて非常な勢で拡まった民衆芸術の大運動に就いて、次ぎの二つの事....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
からあったけれど、これを一箇の学として講じなければならぬようになったのは、明治の
末年からである。それには自分が主として関係したことで、その要旨は『国民道徳概論』....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
打過ぎるのも何だか心苦しいので、震災後まだほんとうに一身一家の安定を得ないので歳
末年始の礼を欠くことを葉書にしたためて、年内に発送することにした。その外には、春....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
よ 汚れた服にボロカバン きょうは本所の公会堂 あすは京都の辻の寺 これは大正
末年の日労党結党当時、友人の田所輝明君が、なりふり構わず全国をブチ歩く私の姿をう....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
昨年の末感ずるところあり、京都で御世話になった方々及び部下の希望者に「戦争史大観」を説明したい気持になり、年
末年始の休みに要旨を書くつもりであったが果さなかった。正月に入って主として出張先....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
は年をとった猫背の測量技師だった。「大溝」は今日の本所にはない。叔父もまた大正の
末年に食道癌を病んで死んでしまった。本所の印象記の一節にこういうことを加えるのは....