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末座
「末座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
末座の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
、それから小川の旦那と順を追って右が殿方、左が婦人方とわかれている。その右の列の
末座にすわっているのがこのうちの隠居であった。
隠居は房《ふさ》さんと云って、....
「或る女」より 著者:有島武郎
いた。
葉子は古藤にちょっと目で挨拶《あいさつ》をして置いて、貞世を抱いたまま
末座に膝《ひざ》をついて、一同に遅刻のわびをしようとしていると、主人座にすわり込....
「片信」より 著者:有島武郎
するところとなるであろうか。僕はここに疑問を插《はさ》むものである。結局堺氏は、
末座ながら氏が「中流階級の人道主義者」とある軽侮なしにではなく呼びかけたところの....
「星座」より 著者:有島武郎
…ねえ? ねえとくりゃ買うだけだ。おい婆や……もっとよく顔を見せろ。ふむ、お前も
末座ながら善人の顔だ……酒を買ってきてくれ。誰かそこいらに金を持っている奴はない....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んのことで、一段下がったところには三百諸侯、それにつらなって旗本八万騎、それらの
末座には今でいう警察官です。すなわち、南北両|奉行《ぶぎょう》所配下の与力同心た....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
いる今年二十五歳の青年武士であった。 小姓頭に取り立てられて、今日の重臣会議の
末座にもいたのである。 「それで、成田頼母の俗論が、とうとう勝利を占めたというの....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。孔雀丸のまんなかには藩侯が乗っていた。その左右には美しい小姓どもが控えていた。
末座には大勢の家来どもが居列んでいた。船には竹に雀の紋をつけた幔幕が張り廻されて....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、黒の鼻緒の草鞋を穿き、黒の伊賀|袴に黒|手甲、眼だけ頭巾の隙から出し、膝行して
末座へ平伏した。 当時|忍術衆の心掛けとして、同じ家中の侍へも、生地の姿は見せ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
者、この百右衛門が、武蔵の物語を半分も聞かぬうちに、ふふん、と笑い、のう玄斎、と
末座に丸くかしこまっている茶坊主の玄斎に勝手に話掛け、 「そなたは、どう思うか。....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
で保留されていたお妙の婿取りは、果して間もなく盛大にとり行われた。虎松も招ばれて
末座に割のわるい一役をつとめさせられたが、お開きと共に折詰を下げてイの一番に帯刀....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
がしろにするきらいがある、大切なことだぜ」 先生はひょろ長いやせた首を伸ばして
末座にちぢまっている千三を見おろした。 「きみ、ここへきたまえ」 「はあ」 「き....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
亀のように首を縮めた。 覆面をしていた五人の浪人も、今は頭巾を脱ぎすてて、遥か
末座に居並んで、つつましく酒を飲んでいる。 (八重! くれるには惜しい女さ) ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
へ帰ろう手筈だったそうですわ。……仕上りと、その出発祝を兼ねた御馳走の席なのよ。
末座で挨拶をして、近常さんは、すぐに毛氈の上をずッと、鶏のわきへ出なさると、運八....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
くのを好まなかったのと、きょうは求古会の先生方が大勢ならんでいるのとで、わたしは
末座のうしろの方に小さくなって控えながら、むなしく其処らをきょろきょろ眺めたりし....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
やや前|跼みでいつも黙々としてナイフとフオクとを使っている。それに向って事務長が
末座に位置する。長身の、まだ若いが、職掌柄だけに凛として気の利いた顔貌と風采の持....