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末弟
「末弟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
末弟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
み、佐吉さんは其《そ》の家の末っ子で、私とふとした事から知合いになり、私も同様に
末弟であるし、また同様に早くから父に死なれている身の上なので、佐吉さんとは、何か....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
から、下手人が出たら磔は逃れんのう。 (一座、しんとしてしまう。その時甚兵衛が、
末弟の甚作と一緒に来る) 村人七 ああ甚兵衛どんが来た。甚兵衛どんが来た。 村人....
「臨終まで」より 著者:梶井久
達が来ますと、二人に両方の手を握らせて、暫くは如何にも安心したかの様子でしたが、
末弟は試験(京大入学試験)の結果が気になって落ちつかず、次弟は商用が忙しくて何れ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
兆だろうよ。……どうも些藩政が弛み過ぎたからな」 時の藩主は宗春で、先主継友の
末弟であり、奥州梁川から宗家に入り、七代の主人となったものであった。
末弟の宗春が....
「愛と美について」より 著者:太宰治
ら端まで、たんねんに読破している。ほんとうは、鏡花をひそかに、最も愛読していた。
末弟は、十八歳である。ことし一高の、理科甲類に入学したばかりである。高等学校へは....
「惜別」より 著者:太宰治
居られた。やがて窓の方を見ながら、「私の知っている家で、兄は百姓、次男は司法官、
末弟は、これは変り者で、役者をしている、そんな家があるのです。はじめは、どうも、....
「窓」より 著者:鷹野つぎ
も窮状につながれ、また共に棲む時も、さらに他に別れて住む父も、父の故郷にあずけた
末弟も、同じ絆につながる苦境にある者たちとして、今何ひとつ語る言葉もないと云った....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
先生はその由って来たるところに結論を得たが、これぞ戦争がもたらしたイタズラ小僧の
末弟の一人だ。コロンブスによってもたらされたスピロヘーテンパリーダが忽ちにして全....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
区切って、金庫の上にアグラをかいているような手堅いところがあった。 大浦博士の
末弟は大浦種則という私大出の婦人科の医学士で二十八、まだ大学の研究室にいる、これ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
たことである。 肥田は、俊亮が村にいたころ、青木医師についで親しくしていた人の
末弟にあたる人だが、生来しまりのない男で、方々でしくじったあげく、俊亮の店開きの....
「梟啼く」より 著者:杉田久女
に電報が行き、いとま乞いに来たのだろうとあとで知った由。二人の兄共殊に愛していた
末弟のあまりにももろい死に様に一方ならず力落とししたのであった。 それから丸一....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
子供の場合に兄の方が可愛いいか、弟の方が可愛いいか、ときいた。というのは三人目の
末弟に皇位を譲りたい下心があったからだそうだ。長兄は兄の方が可愛いいと答えたが、....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
ーホフを駆り立てた真の動機については残念ながらはっきりしたことはわかっていない。
末弟ミハイールの回想によると、たまたま試験準備をしていた彼(ミハイール)の刑法や....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
へ来ては、老人へのよき執成を、蒼蠅いほど頼んでいた千石虎之進という、死んだ老人の
末弟に当る男であった。彼は若い時分から、すこぶる道楽に身を崩し、詐偽のための前科....
「俗臭」より 著者:織田作之助
にはどうしても兄の資本に頼る必要があったからだ。だから、出入禁止をされた彼は屡々
末弟の三亀雄に資本の融通をたのんだ。三亀雄はがっちり屋で、自分では貧乏や/\とい....