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末期
「末期〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
末期の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
う。巡査は故郷に母がある、と云う。署長はまた母の事は心配するな。何かそのほかにも
末期《まつご》の際に、心遺りはないかと云う。巡査は何も云う事はない、ピストル強盗....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ある。 スコェルド・ボルゲルの治世の間に世界は著しく悪くなってきた、そしてその
末期に近いころに、光の神バルデル(Balder)の死に際会した。そのために恐ろし....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の時代でありましたから、金が何より大事で兵制は昔の国民皆兵にかえらないで、ローマ
末期の傭兵にかえったのであります。ところが新しく発展して来た国家は皆小さいもので....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
食らしい男が、すっかり道を遮断して寝転んでいた。近づくままに顔を見るとそれはもう
末期にちかい癩患者で、眼も鼻も毛髪もまったくなく、口と鼻腔だけが無気味な闇黒をの....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
郎義光と申す者の妻だったものにございます。現世の呼名は小櫻姫――時代は足利時代の
末期――今から約四百|余年の昔でございます。もちろんこちらの世界には昼夜の区別も....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
に比ぶれば、現代の苦艱の如きは抑々物の数でない。われ等の生活せるローマ帝政時代の
末期――精神的、霊的のものは悉く影を潜めて、所得顔に跋扈するは、ただ酒色と、荒淫....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
幼い頃の朧ろげな記憶の糸を辿って行くと、江戸の
末期から明治の初年へかけて、物売や見世物の中には随分面白い異ったものがあった。私....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
飲まされました。 ために私は蘇返りました。 「冷水を下さい。」 もう、それが
末期だと思って、水を飲んだ時だったのです。 脚気を煩って、衝心をしかけていたの....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
それから又「改造」に載った斎藤さんの「赤彦終焉記」を読んだ。斎藤さんは島木さんの
末期を大往生だったと言っている。しかし当時も病気だった僕には少からず愴然の感を与....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
る。 今にして思えばアメリカ映画が最もその国際性を発揮したのはやはり無声映画の
末期であり、ちよびひげをつけ、山高帽をかぶり、だぶだぶのズボンをはいた道化男が悲....
「画道と女性」より 著者:上村松園
と徳川時代の風俗を私は一番たんと描いているように思います。 徳川時代も中期以後
末期に掛けての風俗が、何となく私を牽きつける力が多いように思います。特別にその時....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
あ、こりゃおいでなすったかい。婆さんが衣ものを脱ぐんだろう、三途川の水でも可い、
末期に一杯飲みてえもんだ、と思いましたがね、口へ入ったなあ冷酒の甘露なんで。呼吸....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
洞斎兄の身にかわって天地を見抜いてよう知っとる。じゃが、病人は、ただそれのみを、
末期まで、嫉妬に嫉妬して、われの貞操を責め抜いたに、お冬も泣かされれば、尼かて、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
待ち合えず、命からがら遁帰りぬ。 短銃の筒口に濃き煙の立つと同時に泰助が魂消る
末期の絶叫、第三発は命中せり。 渠は立竦みになりてぶるぶると震えたるが、鮮血た....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ド・ジョージに依り支配せられその信任の下にフォッシュが統帥を専任せしめられた大戦
末期の連合国側の方式が遂に勝を得、かくて大戦後ドイツ軍事界に於ても統帥権の独立を....