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末期の水
「末期の水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
末期の水の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
なたのただ今おっしゃったお言葉でございます。仏様のお心にかなうことでございます。
末期の水は必ず善鸞様がおくみあそばさなくてはなりません。この期に及んで私はもう何....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
大惣……黙って呻吟きよれ』 『ウンウン。ウンウン。水ヲクレイ』 『ホラ。遣るぞ。
末期の水ぞ。唐人さんドウかいな。もう死によるが。早よう話をばきめんとほかの処へ持....
「火薬船」より 著者:海野十三
て、ビールがこんなうまいものかと、おどろいた。そうであろう、そのビールこそ、彼の
末期の水であったのだから。 雑草園のものかげに、巨人ハルクは、原地人のふくを着....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
すなわちその井戸である。水を飲んだ多くの者はそこで最期を遂げた。そして多くの者に
末期の水を飲ました井戸の方もまた、死んでしまうことになったのである。
戦後に、....
「梟啼く」より 著者:杉田久女
った。院長も外の軍医も皆枕元に立っていた。「それ二人とも水をおあげ」と母が出した
末期の水を、夢中で信の唇にしめしてやった。何とも書きつくせぬ沈黙の中に、骨肉の四....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
を止めん、幸いに余のポケットには今なお残れる一瓶のビールあれば、余はそのビールを
末期の水として飲み、快くこの世を去らん、しこうしてその空瓶にはこの一書を封じて海....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
上二男三女を設けて立派に嫁婚を了えた。憾むらくは金婚式を拳ぐるに至らず、私の為に
末期の水を取ると臨終の際まで言いつゞけて遂に亡くなった。晩香はこの節子の果たし得....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
た。武蔵は、鯉のように口を開いて、鼻ばしらから垂れる雨を舌へ吸いこんだ。 ――
末期の水だ。 痺れた頭のしんで、かすかに、そんな気もする。 戦いは、味方の敗....