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「末期的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

末期的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
作家と教養の諸相」より 著者:宮本百合子
往来の風俗・俚謡・伝説などにつよい関心を示しているところは面白い。伝統的な士道の末期的な教養は一面で馬琴の世界に勧善懲悪の善玉悪玉をつくり出しているとともに、他....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
かかる種類の文学が、詩としての正しい評価を持ち得るだろうか。実際吾人は、或る種の末期的な詩派に於て、この種の形式韻文を見出《みいだ》している。例えば高蹈派《パル....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
らされなかった。旧いものと新しいものとは、封建の濃い蔭とそれに絡む資本主義社会の末期的な現象との錯綜の形で私たちすべての社会生活、ものの考えかたや感じかた、精神....
“健全性”の難しさ」より 著者:宮本百合子
とのようなことを沁々と思わずにいられないものがあった。従来の歌舞伎の番組には徳川末期的の世情を映したものもあり、現代の生活感情に遠いものがあったのは事実だけれど....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
あとで蓄音機です。来た来たショウボートの唄が響き渡ります。今の今、女郎は旧日本の末期的な涙を絞っていまして、私もやるせない心に迷っていましたのに、次の瞬間にはパ....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
などの類や役者の似顔や、美人、いなせな男が絞りの手拭を肩に掛けたる肖像等を浮世絵末期的手法によって、これもまたガラスへ描かれてあるのを私は見た。あるいは手箱の表....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
まの顔で並んでいた。私が十幾年以前に初めてガラス絵を買ったのもこの平野町だった。末期的な役者の似顔絵と、人形を抱く娘の像の二つを発見して妙に執着を持った。私は多....
イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
やわが国の帝国大学の如き)。だが今日では封建的残滓は資本主義の敵ではなくて却って末期的資本主義の最後の武器となる。それは懐古的国粋的――乃至ファシスト的――反動....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
いる。生活から科学性を抹殺しようとする無理な試みは、〔第一次〕世界大戦後発生した末期的な現代資本主義哲学(ハイデッガー・日本精神哲学、等々の国粋ファッショ哲学)....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
、やや軽率と思われているほど気の早いところのある、粘着性のうすい、申分ないほど、末期的江戸|気質《タイプ》を充分にもった、ものわかりはよいが深い考えのない、自嘲....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
…」というのでした。江戸前の文句にて忘れません。 あの仁は風貌とこしらえが江戸末期的の感じで、それが都々逸とあいまっていい「侠《いなせ》」を感じることがありま....
昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
は、文学の問題として論ずる問題ではないであろうか。 四 ナンセンス文学 同じく末期的文学の一つの現象として、ナンセンス文学をあげることができるであろう。これは....
三国志」より 著者:吉川英治
、劉禅の親政と、宦人黄皓の専横などが、いよいよ衰兆に拍車をかけていた。亡ぶものの末期的症状にかならず見られるのは、宦官的内訌とこれに伴う暴政、相剋、私的享楽など....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
人々を。――それから、後醍醐天皇という不世出な天子と、若い衛星公卿の復古運動が、末期的な時の幕府をおびやかし、その武断をよび、はやくも日野俊基、資朝らの犠牲を生....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
)。佐藤則清(二十二歳、後の西行法師)――などみな鳥羽院北面の武者。そして、世の末期的症状への懐疑、鬱屈、脱皮など、ひとしく若い吐け口にもがく一連の時代の青年た....