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末節
「末節〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
末節の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
然と云い返した。「ねえ久我さん、聖ステファノ条約でさえも、猶太人の待遇には、その
末節の一部を緩和したにすぎなかったのです。それなのに何故、迫害の最もはなはだしい....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
白が嘘であっても、殺人をやらないと云う直接証拠がなければ、電車問題は要するに枝葉
末節だ。彼はこんな枝葉
末節からかゝってはいけない。人は能く根本の議論で勝てないと....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
部も明に之に関与されたる関係上、表面上共同の責任は免れざるが如きも、元来軍の字句
末節に拘泥し不純の動機を以て、斯かる声明文を起草する一部の専門家と大いに其の立場....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《ぶどうしゅ》の樽《たる》の中で死ぬのはまだいいが、エスクーブロー(訳者注 本章
末節参照)のように溝浚人《どぶさらいにん》の墓穴の中で死ぬのはたまらない。その中....
「窃む女」より 著者:黒島伝治
「そうかい。」彼は笑った。 三 木代が、六十円ほどはいったが、年
末節季の払いをすると、あと僅かしか残らなかった。予め心積りをしていた払いの外に紺....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
食わねばならず、食うには、どこかで拾ってもらわざるを得なくなったからですよ。枝葉
末節を語ればキリがないが、荒筋はそれだけさ」 「働くポストは」 「門番でも、事務....
「徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
た達人の逸話である。自由に達して始めて物の本末を認識し、第一義と第二義を判別し、
末節を放棄して大義に就くを得るということを説いたのには第百十二段、第二百十一段な....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
れました。 家持手当、夕食手当、配当、福袋等の注意を致しましたものの、これらは
末節に属する事でありまして、さらに一歩を進めた根本問題は人格尊重と、智徳教養の二....
「新らしき文学」より 著者:坂口安吾
以前には存在せず映画以前の老人には理解できまい。 然し、上述の如き新らしさは尚
末節にすぎない。そして我々の文学は此の程度の愚劣な末梢的新らしさによって毒されす....
「小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
努力してこそ、真に学者の本分が発揮されるわけである。いたずらに小知恵にとらわれて
末節にのみ走り、積極説、消極説に次いで折衷説さらに第四説、第五説を生み出すごとき....
「夏の町」より 著者:永井荷風
れた。して見ると、「過ぎし日の事|思出《おもいい》でて泣く、」といったりあるいは
末節の、「われは此処彼処《ここかしこ》にさまよう落葉《おちば》」といったのはやは....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
自身で書いたごとく、巧みに取り繕ってあるのです」するとベエコンは「そのような枝葉
末節は」と冷淡にいった「場違いの議論であり、また問題にするにもたりません」いわゆ....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
桃山期まではとにかくも本格的に踏み止っていたものが、徳川からは根幹を失い枝葉へ、
末節へとひた走りに走り、正体なく貫禄を落してしまった時である。かくのごとき末世的....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
わねえ。」と言ったことから思合せると、起稿の日はそれよりも猶以前であった。草稿の
末節は種田順平が貸間の暑さに或夜同宿の女給すみ子を連れ、白髯橋の上で涼みながら、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
その末期軍隊の性質に制せられて兵器の進歩と協調も失うに至った後の横隊戦術は技巧の
末節に走り、鈍重にして脆弱であり、特にその暴露した側面は甚だしい弱点を成形してい....