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本中
「本中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
聞かないが、彼はまだ今まで、読本の稿を起しているだろうか。そうしてそれがいつか日
本中の人間に読まれることを、夢想しているだろうか。…………
馬琴はこの記憶の中....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
った、――こう云う結婚難に遇《あ》っているのはきっとあたし一人ぎりじゃないわ。日
本中どこにもいるはずだわ。けれども日本の小説家は誰もこう云う結婚難に悩んでいる女....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
か?――それはいまさら話すまでもあるまい。谷川の末にはお婆《ばあ》さんが一人、日
本中《にほんじゅう》の子供の知っている通り、柴刈《しばか》りに行ったお爺《じい》....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
なかったけれども、彼の生涯はドレほどの生涯であったか知れませぬ。私ばかりでなく日
本中幾万の人はこの人から「インスピレーション」を得たでありましょうと思います。あ....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
する演出者はあっても、演技指導を人任せにする演出者はない。 ○演出者は平生から日
本中のあらゆる俳優についてできるだけ多くのことを知っているほうがいい。しかしもし....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
々は知っている。) しかも彼らの働く場所はいまだに工場法の適用されない、あの日
本中のどこよりも空気が悪いといわれるダーク・ステージの塵埃の中である。そこで会社....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の値打ちが燦然と光を増したわけである。 八月三十一日 ◯あの日以来読んだ本。杉
本中佐遺稿の「大義」山岡荘八君著「軍神杉
本中佐」江部鴨村著「維摩経新釈」、「名作....
「地球盗難」より 著者:海野十三
として立ちつくした。それはまるで千里の波濤を越えて、異境に遊ぶの想いがあった。日
本中を探しまわっても、恐らくこれほど風変りな邸を持っているところがまだ他にあろう....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
」 「うまいうまい、その調子で、もっとたのむぞ。――ところで、それをやる前に、日
本中の人間をふるえあがらしておきたいとおもうのだ。それには、ラジオでおどかすのが....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
かかねて志す……国々に伝わった面白い、また異った、不思議な物語を集めてみたい。日
本中残らずとは思うが、この夏は、山深い北国筋の、谷を渡り、峰を伝って尋ねよう、と....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
、上ってやろう。上って、高い空から、上野の展覧会を見てやる。京、大阪を見よう。日
本中を、いや世界を見よう。……さあ、あの児来て煽れ、それ、お前は向うで上げるんだ....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
(呵々と笑う)はッはッはッ。慌てまい。うろたえまい。騒ぐまい。信濃国東筑摩郡松
本中が粗相をしても、腹を立てる私ではない。証拠を見せよう。それこれじゃ、(萌黄古....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
来ているのですか。大阪だの九州だのはどうなんです」 「そりゃ、どこもかしこも、日
本中はみな出来ているよ。防空演習なんか、むしろ地方が盛んで、東京なんか、まだ一度....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ねえ、親なり、叔父なり、師匠なり、恩人なりという、……私が稼業じゃ江戸で一番、日
本中の家元の大黒柱と云う、少兀の苦い面した阿父がある。 いや、その顔色に似合わ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
て国を飛出した。性来|頗る器用人で、影画の紙人形を切るのを売物として、鋏一挺で日
本中を廻国した変り者だった。挙句が江戸の馬喰町に落付いて旅籠屋の「ゲダイ」となっ....