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「本丸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本丸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
煙管」より 著者:芥川竜之介
一 加州《かしゅう》石川|郡《ごおり》金沢城の城主、前田|斉広《なりひろ》は、参覲中《さんきんちゅう》、江戸城の本丸《ほんまる》へ登城《とじょう》する毎に、必ず愛用の煙管《きせる》を持って行っ....
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
《かえで》の肌を見てさえ起こった。―― 楓樹《ふうじゅ》の肌が冷えていた。城の本丸の彼がいつも坐るベンチの後ろでであった。 根方に松葉が落ちていた。その上を....
恩を返す話」より 著者:菊池寛
後を追った。 午《うま》の刻を過ぎた。諸方から焼き立てられた火の手は、とうとう本丸に達した。原城の最後の時が来た。城楼《じょうろう》の焼け落つる音に交って、死....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、則ち三月七日の昼八ツ(午後二時)頃に、何処をどうはいって来たのか、ひとりの男が本丸の表玄関前に飄然と現われて、詰めている番の役人たちにむかって『今日じゅうに天....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、安政二年二月六日の晩に、藤岡藤十郎、野州無宿の富蔵、この二人が共謀して、江戸城本丸の御金蔵を破って、小判四千両をぬすみ出しました。この御金蔵破りの一件は、東京....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
顔見世狂言を出さない。十一月十五日、きょうは七五三の祝い日だと云うのに、江戸城の本丸から火事が出て、本丸と二の丸が焼ける。こんな始末で世間の人気は甚だ穏かであり....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
を、中川九郎次郎|鎧の袖に取縋り、名もない者の手にかからんことは口惜しい次第|故本丸へ退き自害されよと説いた。瀬兵衛、今日の戦、存分の働を為したから、例え雑兵の....
島原の乱」より 著者:菊池寛
々占拠の地に陣を取り、夜明けを待つことを命じた。 陣中の盛んな篝火は、寂然たる本丸を、闇の中に浮き出させて居た。 二十八日卯の頃、総軍十二万五千余は、均しく....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
局の媾和条件は、次ぎの通りであった。 一、城中新古将士の罪を問わざるべし。 二、本丸を除き二、三の丸の濠を埋むべし。 三、淀君質となるを得ざるを以て、有楽|治長....
天守物語」より 著者:泉鏡花
で、松並木を走っていました。ああ、首に似た殿様が、馬に乗って反返って、威張って、本丸へ入って来ますね。 夫人 播磨守さ。 亀姫 まあ、翼の、白い羽の雪のような、....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
けには御簾がかけられている。その左は局の席、その右は西丸詰めの諸士達の席である。本丸からも見物があり、家族の陪観が許されたのでどこもかしこも人の波、広い見物席は....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
きる敵と戦いさえすればよかったし、鉄や真鍮でできた門を通り、鉄石の壁をこえ、城の本丸に入りこみ、意中の女がとじこめられているところに行けばよかった。こんなことを....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
て、逆臣の城は焚かれてしまった。その城址を誰も修理する者もないのみか、焼け残った本丸の百畳敷には、赤松一族の亡魂があらわれるというので、めったに近寄る者もなかっ....
小坂部伝説」より 著者:岡本綺堂
は女神にあらずと云っている。播磨名所巡覧図会には「正一位小刑部大明神は姫路城内の本丸に鎮座、祭神二座、深秘の神とす。」とある。それらの考証は藤沢衛彦氏の日本伝説....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
に数えられて、事実上城郭は二の丸以内に限局せられた。その中央にさらに濠を繞らして本丸が設けられていたが、今は兵営となったのでこの濠は埋められ、跡形もなくなった。....