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本務
「本務〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本務の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
返している。奔命《ほんめい》に疲れるとはこの事である。教師が職業であるか、戦争が
本務であるかちょっと分らないくらい逆上《ぎゃくじょう》して来た。この逆上の頂点に....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
であるのは疑うべき余地のないことだ。その変体が色々な形を取って起り、或る時はその
本務的な目的から全く切り放されたプラトニック・ラヴともなり、又かかる関係の中に、....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
万騎旗本が本来の面目使命は、一朝有事の際に、上将軍家のお旗本を守り固めるのがその
本務です。井伊、本多、酒井、榊原の四天王は別格として、神君以来その八万騎中に、お....
「山本有三氏の境地」より 著者:宮本百合子
かしたであろうか。この主人公は「商人の務めは儲けるばかりが能ではない。」「商人の
本務は契約を守ることだ。」「(前略)金に添っても添わなくても自分のやることはやら....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
れる。実に科学は、人生から「詩」を抹殺《まっさつ》することにのみ、その意地あしき
本務を持ってるように思われる。しかもこの科学的精神が、宇宙の不思議に対する詩的驚....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
民主主義の芸術観を支配していた。作者らのあとについて、批評家らも従順に、芸術品の
本務は人を喜ばすことだと、宣言していた。成功が掟《おきて》であった。成功がつづく....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
ん何事にかかわらず知り得たことは、早速読者諸君の前に提供することを、私の光栄ある
本務と信じているが、しかし本件だけは、彼から固い緘口令が布かれてあったのであった....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
来ない。軍人は軍人としての特殊の観点に制約されざるをえないのである。 軍人その
本務を逸脱して余事に奔走すること、既に好ましくないが、更に憂うべきことは、軍人が....
「城」より 著者:カフカフランツ
あの男にとっては何ものでもないんだよ。君をここに泊まるようにさせたのは、あの男の
本務のつけたりにすぎないのだ。君を不安にさせないように、あの男は自分でもここにと....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
しむることあたわず。いわんや、この宗教家は民間にありて人民を教導するをもってその
本務とするものにおいてをや。この人の知識進歩すれば、その人民の知識また進歩するは....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
意味の演説をして一同に聴かしたが、その説明中に、「忠義は吾人の人生に処する正当の
本務である」といい、その例証に、「しもべとしては主人に対して尽くすべき義務がある....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
たちの仕事はこれからではないか。国家の興亡とは関係のない個人の生死こそ、私たちの
本務である。敵味方の区別は、本来赤十字にはないのである。日本が個人の生命をあまり....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
に反射的に運ぶようになる。すべてが応用のきかぬように縛られ、かつ縛ることを公用の
本務と考えるようになる。 一本一銭五厘の鉛筆を貰いに行くのに願書を五枚書く。一....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
にも練修を要しまたこつがあることであろうが、私は女性がもし幸いにその古来の地位と
本務とに心づき、今はその領分が不当に狭まっていることを認識するならば、もうそれだ....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
立の弊を極力避けようとしなければならぬ。それを勧めることも、多分は中央にいる者の
本務なのであろうが、欲を言えば地方の人たちも、これまでのような郷土研究ぶり、すな....