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「本役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本役の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
郎はまた訊いた。 「さあ、そこが難題でね」と、留吉は再び小鬢をかいた。「わっしの本役は蝶々の一件で、お近や幸之助の方はまあ枝葉《えだは》のような物なんですが、不....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
だけあって、青々と剃り立てた髯の跡の濃い腮をなでて、また福島の役所の方から代替り本役の沙汰もないうちから、新主人半蔵のために祝い振舞の時のしたくなぞを始めた。客....
元禄十三年」より 著者:林不忘
退したかった。 饗応役には、正副二人立つのだった。この元禄十三年度の饗応役に、本役には岡部美濃守、添役《そえやく》には立花出雲守が振りあてられた、と、土屋相模....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、……されば後月、九月の上旬。上野辺のある舞台において、初番に間狂言、那須の語。本役には釣狐のシテ、白蔵主を致しまする筈。……で、これは、当流においても許しもの....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
、今度もそれを命ぜらるる事になった。けれども政務の方にも必要なので、ヤハリ目付を本役として側用達は兼勤という事であった。この側用達は役の格式も大分上等に属するも....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
え? なんだって、猿芝居だって? 戯談《じょうだん》じゃないよ、廻りの八丈の方が本役だって? そうですよ、そうだよ。ヘイ、三角銀杏老《みつかどぎんなんろう》お見....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
静かである。 とガサガサと庭木が揺れ、現われたのは先刻の少年、「これからが俺の本役さ」とまたもや窓へ近よったが、手を延ばすと窓を開け、そこから一つの風船を、家....
役者の一生」より 著者:折口信夫
たし、明治二十四年にした「妹背山」のおみわの役などは、饗庭篁村が「源之助のおみわ本役とて座の光をまし舞台も広く思はれたり 云々」と批評している。四十代以後の源之....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
らえた嘘の役割である。それであるから、それが誰も知っている狂言の場合には、どれが本役で、どれが捨役であるかを判別することも出来るが、馴染の薄い狂言や新狂言の場合....
空罎」より 著者:服部之総
択みたる品は、商人売買値段に応じ、船中持ち渡しの品を以て弁ずべし。役所に於て、日本役人取計ふべし。」 というのだ。その実際については、蘇峯《そほう》氏の『近世....