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本復
「本復〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本復の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
以来、夜の目も寝ないくらい、主家のために、心を煩《わずら》わした。――既に病気が
本復した以上、修理は近日中に病緩《びょうかん》の御礼として、登城《とじょう》しな....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
日まで凋《しぼ》まないんだよ。お敏さんは何でもこの花が咲いている限り、きっと君は
本復するに違いないって、自分も信じりゃ僕たちにも度々云っていたものなんだ。その甲....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
鰯《いわし》の天窓《あたま》も信心から、それでも命数の尽《つ》きぬ輩《やから》は
本復するから、外《ほか》に竹庵《ちくあん》養仙《ようせん》木斎《もくさい》の居な....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うに美しい行者はお豊をひと目見て、これは怪しい獣の祟りである、自分の祈祷できっと
本復させてやると云った。久次郎もそれを信用して、なにぶんお頼み申すと云うと、行者....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。思いなしか病人の眼は蛇のように忌らしくみえて、口から時々に紅い舌をへらへらと
本復するが、病中のことはなんにも記憶していない。なにを訊いても知らないという。し....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
拝ませてくれという者が多くなると、彼はまた宣言した。 「尊い御仏を拝むと、万病が
本復する」 その計略成就して、数百里のあいだの老若男女がみな集まった。そこで、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
察を求めると、それは食い物の中毒であるといった。解毒剤をあたえられて、一同幸いに
本復したが、馬夫だけは多く食ったために生きなかった。 方は一人の男にむかって、....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
なって、五年経ってから亡くなりました。魔隠に逢った小児が帰った喜びのために、一旦
本復をしたのだという人もありますが、私は、その娘の取ってくれた薬草の功徳だと思う....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
んだと思います」 「ああ、よくわかりました。奥さんも、御心配でしょう。御主人の御
本復を祈ります。じゃあ、ロンドンの中国大使館へは、私の方から取調べ票を送って置き....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
。」ときくと、そのつもりではあったけれど、まるで足りない。煩っていなさる母さんの
本復を祈って願掛けする、「お稲荷様のお賽銭に。」と、少しあれたが、しなやかな白い....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
るや、おのが幾年の寿命を縮め、身をもて神仏の贄に供えて、合掌し、瞑目して、良人の
本復を祈る時も、その死を欲するの念は依然として信仰の霊を妨げたり。 良人の衰弱....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
のはないのであろう。過度の労役の為めに消耗せる体力が、心地よき安静によりて完全に
本復せる時、はげしき屈托の為めに欝屈せる脳力が、適宜の娯楽によりて完全なる働きを....
「百物語」より 著者:岡本綺堂
かげで、世には妖怪のあることが確かめられたのであった。 その本人の島川は一旦|
本復して、相変らず奥に勤めていたが、それからふた月ほどの後に再び不快と言い立てて....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
、小坂部の胸は今更のように跳った。 「いつの間にかお床を揚げさせられて、御病気御
本復でござりまするか。」と、かれは何げなく訊いた。 「癒っても癒らいでも、起きる....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
マシタガ、コレハ重イトイエバ重イ、軽イトイエバ軽イ、ドチラニモナリマスノデ、カノ
本復スルカト思エバ全快スノ方ノ組デス、当所へ参リマス前、凡ソ半年ホドヲ鵠沼ニ辛棒....