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本心
「本心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
偽を必要とするものである。もし寸毫の虚偽をも加えず、我我の友人知己に対する我我の
本心を吐露するとすれば、古《いにし》えの管鮑《かんぽう》の交りと雖《いえど》も破....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
。ついては、身共もいっそ隠居しようかと思う。」
宇左衛門は、ためらった。これが
本心なら、元よりこれに越した事はないが、どうして、修理はそれほど容易に、家督を譲....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
時々ひやりと風が流れる、梅雨中にありがちな天気でした。新蔵は勿論中っ腹で、お敏の
本心を聞かない内は、ただじゃ帰らないくらいな気組でしたから、墨を流した空に柳が聳....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
慨せられるかも知れないけれどね――。で僕に忌憚なく云わせると、大尉どのの結論は、
本心の暴露ではなく、何かこう為めにせんとするところの仮面結論だと思うのだ。大尉ど....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
するほかない。仲よくしましょう」 スコール艇長のことばはよかった。しかしかれの
本心からでているかどうか、うたがわしい。 これにたいしてテッド隊長は、どこまで....
「海底都市」より 著者:海野十三
出来上ったんです」 「ふうん、信じられない。信じられないことだ」 僕はとうとう
本心を言葉に出して、つぶやいた。 海溝《かいこう》の大工事《だいこうじ》 ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
か」
さっそく、先生はたずねた。
「おお新田。これからわしは、お前に、はじめて
本心をうちあけるよ」
「えっ、
本心?」
先生は驚いて博士の顔を見つめた。
本....
「雷」より 著者:海野十三
その頃、松吉は家の中で、まるで熟柿のようにアルコール漬けになってはいたが、その
本心はひどく当惑していた。その原因は、膳を距てて、彼の前に座を占めている真々川化....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
あげた。 「駄目だ。これは抜けない」 「アノもし、あたしが痛いといっても、それは
本心じゃないんです」 「え、
本心とは」 「あたしは生命をたすかるためなら、手の一....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
った。 「おれは知らない。」と、アウレリウスは答えた。 結局、アウレリウスから
本心を聞かされないので、彼を一番愛していた友達の一人が断乎として言った。 「これ....
「初雪」より 著者:秋田滋
逞しい青年だった。 この縁談には彼女のあずかり知らぬ財産目あての理由があった。
本心が云えるものならば、彼女は「あんな人のところへ行くのは厭だ」と云いたかったの....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
視せられて、侮辱を感じないものは断じてないから。――うむ、そうだ。坊主を軽蔑する
本心にも手段にも、いささかもかわりはない。が、きみに対して、今は誓って悪心でない....
「迷信解」より 著者:井上円了
におるを見つけ、これを引きおろして見るに、全く正気を失いいたり。一時の後ようやく
本心に立ちかえり、自ら語るに、『山伏に誘われて、筑紫の安楽寺という所の山中へ行き....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
うに至りては、余もとより黙止に付すべからず。しかれども、そのこれを敵視するは余が
本心にあらざるなり。 ある人語りて曰く、英国教宗の教正、日本に布教せるもの英国....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
きから知っている仲だ。「女房もらえば給料分が助かる」とへらず口をたたいた私だが、
本心はやはり家庭が第一と思っている。家庭をうまく治められない男に仕事ができるはず....