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本意
「本意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
い》いが、あるいは万事が嘘のような疑いを抱きたくなるかも知れない。それでは僕も不
本意だから、この際君に一切の事情をすっかり打ち明けてしまおうと思う。退屈でもどう....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
つめている。出会わずにすましたい気もしないではない。が、出会わずにすませるのは不
本意のことも確かである。云わば彼の心もちは強敵との試合を目前に控えた拳闘家《けん....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
だからである。句意も、良雄《よしかつ》が今感じている満足と変りはない。
「やはり
本意を遂《と》げたと云う、気のゆるみがあるのでございましょう。」
「さようさ。そ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
なく、隙を狙っては逃げ出しにかかると、やはり似たような不思議があって、どうしても
本意が遂げられません。そこでこの頃は仕方がなく何も因縁事と詮めて、泣く泣くお島婆....
「百合」より 著者:芥川竜之介
良平《りょうへい》はある雑誌社に校正の朱筆《しゅふで》を握っている。しかしそれは
本意ではない。彼は少しの暇さえあれば、翻訳《ほんやく》のマルクスを耽読《たんどく....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
五日お来えなさらないから、滝ちゃんや透さんの顔も見たくって、」 と優しく云って
本意なそう。一門の中に、この人ばかり、一人も小児を持たぬ。 三十 ....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
は、暮春の雨に、三日ばかり降込められた、宿の出入りも番傘で、ただ垂籠めがちだった
本意なさに、日限の帰路を、折から快晴した浦づたい。――「当修善寺から、口野浜、多....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
この憐むべき貞婦を射殺すなかれ。しかれどもその姿をのみ見て面を見ざる、諸君はさぞ
本意なからむ。さりながら、諸君より十層二十層、なお幾十層、ここに
本意なき少年あり....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
はさみて、鷹揚に指揮するなり。 わびたりとて肯くべきにあらず、しおしおと引返す
本意なき日数こそ積りたれ。忘れぬは我ために、この時嬉しかりし楓にこそ。 その枝....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ないので、取りつくしまがないように思われる方があろうかと感ぜられますので、甚だ不
本意ながら、私の現世の経歴のホンの荒筋丈をかいつまんで申上げることに致しましょう....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
い人間だった。勿論蛇笏の名も知らなかった。が、そう云う偉い人を知らずにいるのは不
本意だったから、その飯田蛇笏なるものの作句を二つ三つ尋ねて見た。赤木は即座に妙な....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
「折角我等を人がましく思いたまいて伯父ごより御添書ありしに学校へも入れ申さぬは不
本意なれど、御覧の如くの体なれば何事も心に任せず、ここに新たに設けし活版所あり、....
「取舵」より 著者:泉鏡花
、さばかり打悩める婦女のみなりければ、渠の壁訴訟はついに取挙げられざりき。盲人は
本意無げに呟けり。 「はてな、小用場はどこかなあ。」 なお応ずる者のあらざりけ....
「山吹」より 著者:泉鏡花
ではないのですから。 画家 いたし方がありますまいな。 夫人 (もの足りなさに、
本意なげにて)無理にもお許し下さいましたか。……その上なおお言葉に甘えますようで....
「活人形」より 著者:泉鏡花
とうございませんから、恐入りますが先生はどうぞあちらへ。……とありければ、医師は
本意無げに室の外に立出でけり。 病人は苦痛を忍びて語り出だしぬ。 我は小田原....