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本手
「本手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
ある午後 「高いとこの眺めは、アアッ(と咳《せき》をして)また格段でごわすな」 片手に洋傘《こうもり》、片手に扇子と日
本手拭を持っている。頭が奇麗《きれい》に禿《は》げていて、カンカン帽子を冠ってい....
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
である。中尉の短く刈り込んだ髭や、いつも微笑を湛《たた》えている蒼い瞳や、一本一
本手入れの届いている褐色の頭髪などは、誰にも快い感じを与えずにはいなかったのであ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あっしゃもう無我夢中で少し腹がたっているんですよ」 「じゃ、お由さん、まだ二、三
本手紙が残っているようだから、このかわいそうな気短者に、おまじないの種をみせてや....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
説口調で言った。 「それや面白そうですな。」 士官学校の馬術の教官で、縫糸を一
本手綱にしただけで自由に馬を走らせるという馬術の名手の高橋大尉は、本当にうらやま....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
黒雲が塊まっていた。縁が一筋白かった。そこに太陽がいるのかもしれない。 薪を一
本手に取ると、陶器師は火口へ押し込んだ。パッと火の子が四散した。その一つが飛んで....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
なんだ」 重「へえ五体|不具、かたわと仰しゃるは甚だ失敬で、何処が不具で、足も二
本手も二本眼も二つあります」 岡山「それで一つ眼なら全で化物だ、こんな山の中で猟....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
こと頼み廻るなんちゅうことは富岡の塾の名汚しだぞ。乃公に言えば乃公から彼奴等に一
本手紙をつけてやるのに。彼奴等は乃公の言うことなら聴かん理由にいかん」 先ずこ....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
る。……まず初めは小手調べ、結んでも結べない手拭いの術、おおお立会誰でもいい、一
本手拭いを貸してくんな」 「おいよ」と一人の職人が、腰の手拭いをポンと投げた。 ....
「越後の闘牛」より 著者:佐藤垢石
けたるちから声と共に、烈しき手練の剽姚。左に推させ、耶と右へ、捻ぢ回したる打擂の
本手に、さしも悍たる須本太牛は、鈍や頑童の放下さるる猪児の似く地響して※と仰反り....
「明暗」より 著者:岡本かの子
茲へ坐りましょうよ。休みながらお話しましょう」 智子はやや呆けた茅花の穂を二三
本手でなびけて、その上に大形の白ハンカチを敷いた。そして自分は傍の蓬の若葉の密生....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
の「出面」を取りに行っているものも休んで出迎えた。 暑かった。皆は何度も腰の日
本手拭で顔をぬぐった。 「もう少しな、俺達の忙がしい時にな、来てもらったらええに....
「審判」より 著者:カフカフランツ
び出た、あの眼をKはふたたび認めた――長い白エプロン姿で控えの間に立ち、蝋燭を一
本手にしていた。 「この次はもっと早くあけてください!」と、叔父は挨拶するかわり....
「鮎の食い方」より 著者:北大路魯山人
いろいろな事情で、ふつうの家庭では、鮎を美味く食うように料理はできない。鮎はまず三、四寸ものを塩焼きにして食うのが
本手であろうが、生きた鮎や新鮮なものを手に入れるということが、家庭ではできにくい....
「近作鉢の会に一言」より 著者:北大路魯山人
年前に既に完成を見ています。朝鮮では挙げて食器と言うほどのものはありませんが、御
本手、樫手、やわらか手などいう鉢、高麗|雲鶴手鉢、その他日本で抹茶碗に利用してい....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
魁のお寺さまだけ教えて下さるわけにはまいりませんか」 しの「伊之助の手から線香一
本手向けて貰っても、若草は嬉しくは受けめえが、お前は何にも知らねえで使に来たんだ....