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「本旨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本旨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
行人」より 著者:夏目漱石
は、最初いっこうその当こすりが通じなかったが、だんだん時間の進むに従って、彼らの本旨《ほんし》がようやく分って来た。 「馬鹿にもほどがあるね。露骨にいえばさ、あ....
近時政論考」より 著者:陸羯南
掲載せしところのものを一括せしに過ぎず。著者講究の粗漏よりして、あるいは諸論派の本旨を誤認せしものなきにあらざるべし。識者誨教を惜しむなかれば幸甚のみ。 一、本....
運命」より 著者:幸田露伴
、雅を愛し淫を悪む。尋常一様|詩詞の人の、綺麗自ら喜び、藻絵自ら衒い、而して其の本旨正道を逸し邪路に趨るを忘るゝが如きは、希直の断じて取らざるところなり。希直の....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
人と幹事長とが首相を訪問して云っている。 「第六十七議会に於ける国体明徴の決議の本旨は機関説の排撃にあり、爾来二カ月政府は個々の処置をとれるも、本問題の根本要点....
文学の曇天」より 著者:豊島与志雄
に訴える論説や説教の道よりも、案外短距離である。 これだけの蛇足を添えて、さて本旨に戻って――文学の曇天は、文学を益々跼蹐させ、衰微させるだけである。それ故、....
徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
平凡な有りふれの消極的名利観のようでもあるが、しかしよく読んでみると、この著者の本旨は必ずしも絶対に名利を捨てよというのではなく、「真の名利」を求めるための手段....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
せられ、これを勝安芳、榎本武揚の二氏に寄せてその意見を徴められしものなり。先生の本旨は、右二氏の進退に関し多年来心に釈然たらざるものを記して輿論に質すため、時節....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
廃物利用としてはマンザラではないではないか。買って帰って子供に授与する方が教育の本旨にかなうのかな。それとも当人が国家から授与されたツモリで愛玩している方が勲章....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
が、誤読あるを怖れるような慎しみはミジンもなくて、一行だけとりだしてそれを全文の本旨であるかに見立ててカサにかかってインネンをつけ悪罵を放つ。そのインネンのつけ....
序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
知れない。灰色の天地に灰色の心で、冷たい、物凄い、荒んだ生を送って行くのが人生の本旨かとも思って見る。けれども今日までの私はまだどうもそれだけの思いきりもつかぬ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
実な事がある。それはまずセイロンに行って真実の仏教を学ぶことである。学べば仏教の本旨が分るから大乗教云々など言うては居られはしない。私の弟子として行きさえすれば....
古事記」より 著者:太安万侶
うことだ。今の時代においてその間違いを正さなかつたら、幾年もたたないうちに、その本旨が無くなるだろう。これは國家組織の要素であり、天皇の指導の基本である。そこで....
建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
)が、国民みずからがみずからの力によってその生活を安固にもし、高めてもゆくことを本旨とする現代の国家とはその精神の全く違っていたむかしの政治形態においては、君主....
持ち味を生かす」より 著者:北大路魯山人
心身の健康をつくり、頭脳をつくり、人一倍優れた仕事が出来得るならば、美食は経済の本旨に逆らうものではないではないか。美食礼讃の一席、まずはこの辺で……。 (昭和二十九年)....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
のである。部隊の指揮単位に於てなるべく各隊長の自由を尊重するのである。大隊戦闘の本旨は「大隊の攻撃目標を示し、第一線中隊をして共同動作」せしむるに在った。そうし....