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「本望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本望の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
いてもらいたい。その上でならば、どんな死にざまをするにしても、兄の手にかかれば、本望だ。いや、むしろ、このごろの苦しみよりは、一思いに死んだほうが、どのくらいし....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
っと》も彼の故｜朋輩《ほうばい》だけは例外だったのに違いなかった。「あの爺さんも本望だったろう。若い妾《めかけ》も持っていれば、小金もためていたんだから。」――....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
かわかりませんが。」 「いえ、ただ、御聞きになってさえ下されば、それでもう私には本望すぎるくらいでございます。」 中村玄道《なかむらげんどう》と名のった人物は....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
衰え果てた、骨と皮ばかりの体を捨てる、――それだけの覚悟をしさえすれば、わたしの本望は遂げられるのです。わたしはその夜《よ》嬉しさの余り、いつまでも独り笑いなが....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
りそれも少納言殿の御内のものなら、己《おの》が忠義に捨つる命じゃによって、定めて本望に相違はあるまい。が、さもないものがこの中にあって、わずかばかりの金銀が欲し....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
面目な調子で、『たとい子供じみた夢にしても、信ずる所に殉ずるのだから、僕はそれで本望だ。』と、思い切ったように答えました。その時はこう云う彼の言《ことば》も、単....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
敷に、兵衛《ひょうえ》らしい侍のかくまわれている事が明かになった。二人は今度こそ本望が達せられると思った。いや、達せずには置かないと思った。殊に甚太夫はそれがわ....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
だまさずみ》のいったように大きい両眼を見開いていた。 「これで塙団右衛門も定めし本望《ほんもう》でございましょう。」 旗本の一人、――横田甚右衛門《よこたじん....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
飽き足らぬと思いました。何しろのめのめと我々の前へ面《つら》をさらした上に、御｜本望《ほんもう》を遂げられ、大慶の至りなどと云うのですからな。」 「高田も高田じ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
う収支｜償《つぐな》うくらいには行くでしょう。」 「いえ、そこまで行ってくれれば本望なんですが――どうせ我々の書く物なんぞが、売れる筈はありゃしません。何しろ人....
「竜」より 著者:芥川竜之介
この年じゃで、竜王《りゅうおう》の御姿をたった一目拝みさえすれば、もう往生しても本望じゃ。』と、剛情にも腰を据えて、甥の申す事などには耳を借そうとも致しません。....
「白」より 著者:芥川竜之介
。ことによれば坊ちゃんのバットに打ち殺されてしまうかも知れません。しかしそれでも本望です。お月様！ お月様！ わたしは御主人の顔を見るほかに、何も願うことはあり....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ゃっては、いくら少将でも御腹立ちになりましたろう。」 「いや、怒《おこ》られれば本望じゃ。が、少将はおれの顔を見ると、悲しそうに首を振りながら、あなたには何もお....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
くらいでした。しかしわざわざ尋ねて来ながら、刺《し》も通ぜずに帰るのは、もちろん本望《ほんもう》ではありません。そこで取次ぎに出て来た小厮《しょうし》に、ともか....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
って了いましたのじゃ。しかしお目にかかって見ればいつに変らぬお若さ……俺はこれで本望でござりまする……。』 考えて見れば、私達の対面は随分久しぶりの対面でござ....