本末[語句情報] »
本末
「本末〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本末の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
微笑を浮べながら、私どもの前へ進み出まして、天上皇帝の御威徳の難有《ありがた》い
本末《もとすえ》を懇々と説いて聴かせました。が、その間も私の気になって仕方がなか....
「小説家たらんとする青年に与う」より 著者:菊池寛
書いているということになり、また、その中で、小説を作っているべき筈だ。どうもこの
本末を顛倒している人が多くて困る。ちょっと一二年も、文学に親しむと、すぐもう、小....
「運命」より 著者:幸田露伴
の史にして、今一々|之を記するに懶し。其詳を知らんとするものは、明史及び明朝紀事
本末等に就きて考うべし。今たゞ其|概略と燕王恵帝の性格|風※とを獲て之を斬る。こ....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
ますから、幸いのことと、自分は斯々の棄児にて、長左衛門夫婦に救われて養育を受けし
本末を委しく話して居りますところへ、小坊主が案内して通しました男は、年の頃五十一....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
七蔵衣装立派に着飾りて顔付高慢くさく、無沙汰謝るにはあらで誇り気に今の身となりし
本末を語り、女房に都見物|致させかた/″\御近付に連て参ったと鷹風なる言葉の尾に....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
を裁すべき判事は、よく堪えてお幾の物語の、一部始終を聞き果てたが、渠は実際、事の
本末を、冷かに判ずるよりも、お米が身に関する故をもって、むしろ情において激せざる....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
りて、丈三尺余、周囲およそ二尺は有らむ、朽目赤く欠け欠けて、黒ずめる材木の、その
本末には、小さき白き苔、幾百ともなく群り生いたり。 指して、それを、旧のわが家....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
ととわれらは見たり。貴嬢はよも鎌倉にて初めて宮本二郎にあいたまいたる、そのころの
本末を忘れたまわざるべければ。 鎌倉ちょう二字は二郎が旧歓の夢を呼び起こしけん....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
そむく大悪人、いか程の手柄すればとて、是を高名とはいひ難し」とはっきりした言葉で
本末の取りちがえを非難している。してみると、これらの武家物は決してかくのごとき末....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
結婚はまちがっているが、厳粛なる事実があるから、仕方がなかった、などゝいうのは、
本末テントウも甚しいものだ。厳粛なる事実などはどうあろうとも、結婚の適、不適、二....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
子は、そう云わずにはいられなかった。 「貴女は、失礼でございますけれど家庭教育の
本末を顛倒していらっしゃらないでしょうか。」 新子は、先刻から、馬鹿馬鹿しくな....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
時代の動きに鈍感であっては青年の意義はない。青年は純情だといわれるが、その純情も
本末を誤ると、むしろ有害である。師弟の情誼のために純情を傾けるのは美しいには美し....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
す。特殊民がお産の世話をするのか、お産の世話をするが故に特殊民になったのか、その
本末は明らかでありませんが、他にもこんな例を聞いた事がありまして、お産を自宅です....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
付近にいたから、幸徳井なる賀茂氏を吉備大臣の後だといい出したものかもしれぬ。その
本末は不明であるが、吉備大臣の裔と称する幸徳井家が京都から没落して、祖先の由緒を....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
もないものに決してそんな依怙の沙汰はしなかった。どこまでも東京人らしい律義さで、
本末をはっきりと、立てるものは立て押えるものは押えた。――由良一座というものゝ団....