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本来の面目
「本来の面目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本来の面目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
いう逆上した一面があるにはあっても、さすがに江戸八百万石の主、天下兵馬の統領たる
本来の面目を失わないのは豪気《ごうき》なものです。 と言うのは、年々歳々、日を....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
爾《かんじ》とうち笑んでいましたが、がらりと調子を変えると、ようやくむっつり右門
本来の面目に立ち返ったといわんばかりで、おそろしく伝法に、おそろしく切れ味のよろ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
なかった弱気を苦しんでいた豹一の自尊心は、紀代子からそんな態度に出られたために、
本来の面目を取り戻した。 「あんたなんかに用はありませんよ。己惚れなさんな。ただ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ろんであり、第二次欧州大戦に於けるドイツと弱小国家との間の如き、これである。戦争
本来の面目はもちろん決戦戦争にあるが、戦争力がほぼ相匹敵している国家間に持久戦争....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
前。早乙女家」 重々しいそういう文字でした。 只の品ではない。八万騎旗本が
本来の面目使命は、一朝有事の際に、上将軍家のお旗本を守り固めるのがその本務です。....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
のである。 いうを休めよ、三月の下り凧は江戸ッ児の末路を示すものだと、江戸ッ児
本来の面目は執着を離れて常に凝滞せざるを誇りとするもの、焉んぞ死と滅亡とに兢々た....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
目賀野という人物は、なかなか油断のならない重要人物であることが知れて来るが、彼の
本来の面目は次の章に於《おい》て一層よく知れよう。 秘密地下室 省線|田....
「青春論」より 著者:坂口安吾
柢になければならぬ筈で、それに対する万全の具えが剣術だと僕は思う。 だが、剣術
本来の面目たる「是が非でも相手を倒す」という精神は甚だ殺伐で、之を直ちに処世の信....
「雨」より 著者:織田作之助
なかった弱気のために自嘲していた豹一の自尊心は、紀代子からそんな態度に出られて、
本来の面目を取り戻した。ここでおどおどしては俺もお終いだと思うと、眼の前がカッと....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
と同時に策謀を好む少年であるかにさえ思われたのである。あるいは、そういうのが彼の
本来の面目であったかもしれぬ。そして運命がたえずそれに糧を与え、彼という人間を一....
「新らしき文学」より 著者:坂口安吾
ない概念の中へ拉し去り曖昧化し、科学への御用的役割を務めるのは凡そ意味ない。文学
本来の面目に反している。 現在ソヴィエト・ロシヤに於て文学に課せられた一つの課....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
本質から見れば、壮年以後の彼の笑いは、青年期の強制から解き放たれて、かえって笑い
本来の面目をとり戻しているといってもいいくらいだ。 ではチェーホフの笑いは、一....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
本然と名を改めて暫らくは淡島様のお守をしていた。 この淡島堂のお堂守時代が椿岳
本来の面目を思う存分に発揮したので、奇名が忽ち都下に喧伝した。当時朝から晩まで代....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に注意せず、こういう悪い風俗習慣を打ち破ることをも為さずして、その儘に放って仏教
本来の面目に似合わぬ事をやって居ったのです。これらは古来の仏教坊主の欠点であって....
「雨」より 著者:織田作之助
為に自らを嘲っていた豹一の自尊心は、彼女からそんな態度に出られたために、奇蹟的に
本来の面目をとりかえした。こゝでおど/\している様では俺もおしまいだと思うと眼の....