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「本気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
僕等の議論は今になって見ると、ほとんど議論にはならないものだった。しかし僕等は本気《ほんき》になって互に反駁《はんばく》を加え合っていた。ただ僕等の友だちの一....
二人小町」より 著者:芥川竜之介
使 では、……では嘘なのですか? 小町 いいえ、嘘ではありません。ただあなたが本気かどうか、それさえわかれば好《よ》いのです。 使 では何でも云いつけて下さ....
路上」より 著者:芥川竜之介
二人の女と微笑を交換して、それぎり口を噤《つぐ》んでしまった。と、新田もさすがに本気すぎた彼自身を嘲るごとく、薄笑の唇を歪《ゆが》めて見せたが、すぐに真面目な表....
或る女」より 著者:有島武郎
子は気がついていた。そして葉子に対する乗客の好奇心が衰え始めたころになって、彼は本気に葉子を見つめ始めたのだ。葉子はあらかじめこの刹那《せつな》に対する態度を決....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
なり仁右衛門が猿臂《えんぴ》を延ばして残りを奪い取ろうとした。二人は黙ったままで本気に争った。食べるものといっては三枚の煎餅しかないのだから。 「白痴《たわけ》....
星座」より 著者:有島武郎
う一度長い沈黙が来た。 「貴様は夢を見ているんじゃあるまいな」 と渡瀬がついに本気になって口を開き始めた。 「今日の演説を聞きながらもそう思ったんだが、社会運....
碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
って行って、無理に口の中に入れようとしたりした。何んだかふざけているのではなく、本気本気らしくなって来た。しまいには眼を白くしたり黒くしたりして、げえげえと吐....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
かった。自分自身に対するおくれがちな疑いもなかった。子供のような快活な無邪気な一本気な心‥‥君のくちびるからは知らず知らず軽い口笛が漏れて、君の手はおどるように....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
がドイツの電撃作戦に遇って徹底的打撃を受け、英軍は本国へ逃げかえりました。英国が本気でやる気なら、本国などは海軍に一任し全陸軍はフランスで作戦すべきであります。....
黒百合」より 著者:泉鏡花
はどちらへ行ったんで。」 「じゃあ、その何だろう、馬騒ぎで血逆上がしたんだろう、本気じゃあないな。兵粮だって餡麺麭を捻込んで、石滝の奥へ、今の前橋を渡ったんだ、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
別に貞女の亀鑑でも何でもございませぬ。私はただどこまでも自分の勝手を通した、一|本気の女性だったに過ぎないのでございます。 気のすすまぬ現世時代の話も一と通り....
江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
江口は決して所謂快男児ではない。もっと複雑な、もっと陰影に富んだ性格の所有者だ。愛憎の動き方なぞも、一本気な所はあるが、その上にまだ殆病的な執拗さが潜んでいる。それは江口自身不快でな....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
しょになれるように、極力奔走する。成功させるためにきっと尽力する。だからおまえ、本気になってこの五人の中から選ぶんだ。そこに行くと俺たちボヘミヤンは自由なものだ....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
が憲法をこえた立法をせんとするものが大部分であります。日本社会党がこれらのものに本気になって反対しなかったら、わが国の再軍備はもっと進み、憲法改正、再軍備、お互....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
、浅草はまさに東京のヘソであり、日本の中心である。私はこれこそ男子の本懐と考え、本気になって闘い抜いた。その結果、安藤、田川の両強豪をおさえて、頼母木氏についで....