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本流
「本流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
の土地へも着きそうなものじゃ。ほんとうに冥護《みょうご》を信ずるならば、たった一
本流すが好《よ》い。その上康頼は難有《ありがた》そうに、千本の卒塔婆《そとば》を....
「或る女」より 著者:有島武郎
子を底知れぬ悒鬱《ゆううつ》の沼に蹴落《けお》とした。自分は荒磯《あらいそ》に一
本流れよった流れ木ではない。しかしその流れ木よりも自分は孤独だ。自分は一ひら風に....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
《かざ》して眺めている。これは何であるかというと紫式部の源氏の間である。これが日
本流の文学者である。しかし文学というものはコンナものであるならば、文学は後世への....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
り、「暗秘河、「迷錯」河と成程というような名の川二つ。そしてその南にピルコマヨの
本流がのたくり出ている。つまり、|Ramos Gimenez 教授を主班とするそ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
能の奔流の力強さと鋭さを考えさせる。力ある弧状を描いて走るその電光のここかしこに
本流から分岐して大樹の枝のように目的点に星馳する支流を見ることがあるだろう。あの....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
兵時代に生まれたものと考えます。刀を抜いて親愛なる部下に号令をかけるというのは日
本流ではない。日本では、まあ必要があれば采配を振るのです。敬礼の際「頭右」と号令....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ために、誰に向っていうともなく、 「有難うございます」 西洋人の前で不器用な日
本流に頭を下げた。逸作も釣り込まれて、ちょっと頭を下げた。 食後に銀座通りの人....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
るようである。 勿論、コールドビーフやハムサラダでビールを一杯飲むのもいい。日
本流の洗肉や水貝も悪くない。果物にパンぐらいで、あっさりと冷やし紅茶を飲むのもい....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
反駁しているのです。ところが久我さん、その二つを対比してみると、そこへ、黙示図の
本流が現われてくるのですよ」とさながら狂ったのではないかと思われるような言葉を吐....
「転機」より 著者:伊藤野枝
諸県にまたがるこの被害のもう一つの原因は、利根の河水の停滞ということにもあった。
本流の河水の停滞は支流の渡良瀬、思等の逆流となって、その辺の低地一帯の氾濫となる....
「雪の日」より 著者:岡本かの子
けてやりました。私はみんなに眼を瞑って居て貰って、カチューシャを声を顫わせない日
本流に唱った。すると青年の方が、それは露西亜風だと言った。流石音楽国の独逸人だと....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
筆を走らせて更に上流へと歩を進めた。五、六丁にして道は左の沢に入る。ここで早川の
本流と別れて、この沢に沿うてなお深く入り込む、岸が尽きて危うき梯子を懸けたところ....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
だ少ないとの事だ、よく見ると鼠黒い灰が一面にある。少々先きの嶮崖を下れば、梓川の
本流と飛騨|高原川の支流、右俣との水源地で、大きな鞍部、大槍に用のない猟手らは、....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
左岸はつたうべからず。徒渉して右峰に移る。淵の上は、二流となる。右はやや大にして
本流也。左はやや小にして支流也。海よりここに到るまで、百里にも余らん。石狩川ここ....
「西航日録」より 著者:井上円了
その脳髄に当たるもののごとし。それ楊子江は世界無二の大河にして、舟楫の通ずる所、
本流にありて三千里余、本支を合すれば四千里なりという。これをわが国の大河たる利根....