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「本然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
、かくまで突然、なんの前ぶれもなく起こって来ようとは思いも設けなかったので、女の本然の羞恥《しゅうち》から起こる貞操の防衛に駆られて、熱しきったような冷えきった....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
中で、陽子という名が一番好きだった。明るく陽気に、太陽の光の下で生きるという人間本然の憧れを、自分の名は象徴しているのだと、思っていた。が、今、自動車に乗ってい....
慈悲」より 著者:岡本かの子
とは、相手の立場や本質を考え、自分の慈善的感情本位でない施行《ほどこし》に於いて本然の達成が遂げられるのです。....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
っこ》して、いっさいの生命がその新らしき希望と活動とを抑制せらるる時である。人性本然の向上的意力が、かくのごとき休止の状態に陥ることいよいよ深くいよいよ動かすべ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
に属するもののように思われても、それを全然肉から離して考えるということは、個性の本然性に背いた考え方だ。私達の肉と霊とは哲学者や宗教家が概念的に考えているように....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の信仰は実に今から数世紀前までも迷信的な人類を支配し、そのためにこれら輪廻現象の本然の解説の探求、従ってほとんどあらゆる科学的の研究を妨げたのである。 カルデ....
河明り」より 著者:岡本かの子
ほど、それにも相応しいものがあった。 一体この娘は無自性なのだろうか、それとも本然のものを自覚して来ないからなのだろうか。また再び疑わねばならなくなった。 ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
会った雛妓かの子とは、殆ど見違えるほど身体にしなやかな肉の力が盛り上り、年頃近い本然の艶めきが、坐っているだけの物腰にも紛飾を透けて浸潤んでいる。わたくしは思う....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
しず/\パッシイ街の方へ越えて行く。昨日の祭日の粗野な賑わいを追っ払ったあとから本然の姿を現わして優雅に返った巴里の空のところどころに白雲が浮いて居る。新吉の竿....
我が宗教観」より 著者:淡島寒月
にいた時分には、天台宗になって、僧籍に身を置くようになりました。しかしてその時「本然」という名を貰ったのでした。父はその名を嫌って余り名乗らなかったのでしたが、....
書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
にしゃれて、又は特に形を特別なものにするためには截たれるが、三方折り放しのままが本然の姿だ。之はつまり、読者が自分の好みに本装をするために用意された形式であって....
母と娘」より 著者:岡本かの子
の儘受け取らないで、再三再四繰返えし考え、横からも縦からも噛みしめて本当の事実を本然の姿を突き留めて来て下さい。そうでないとママとあなたは他人のようになってしま....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
であって、仏具を飾って僧侶がお勤めをしていたから、椿岳もまた頭を剃円めて法体し、本然と名を改めて暫らくは淡島様のお守をしていた。 この淡島堂のお堂守時代が椿岳....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
いつつある人民勝利の姿があらゆる面にあらわれているのであります。(拍手) 人間本然の姿は人間と人間が争う姿ではないと思います。階級と階級が争う姿ではないと思い....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
私たち凡人にとっては理想の話ですが、一片の信念、信仰を懐くものは、いつとはなしに本然の(宇宙および自分にもとから備わっているところの)生き抜く力が体験中に拡大強....