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「本物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
云っては、小犬を追いまわすのも同じ事じゃ。ただ音無《おとなし》の滝《たき》だけは本物よりもずっと大きかった。」 「それでも都の噂では、奇瑞《きずい》があったとか....
星座」より 著者:有島武郎
いたのだった。 夢が覚めてよかったと安堵《あんど》するその下からもっと恐ろしい本物の不吉が、これから襲ってくるのではないかとも危ぶまれた。緑色の絹笠のかかった....
海底大陸」より 著者:海野十三
まくいった。 ロロー殿下に仮装したマルラ秘書が、群衆の注意をうばっている間に、本物のロロー殿下は長良川博士とふたりでメリー号の上につんでいた水上機に乗り、カタ....
骸骨館」より 著者:海野十三
「うん、骸骨がいいや。清君、僕おもしろいことを発見したんだよ。骸骨をほんとうに本物のようにおどらせることさ」 「えっ、何だって。骸骨を本物のようにおどらせるっ....
暗号の役割」より 著者:海野十三
聞いた奇怪な事実の研究に没頭していたからだ。 その結果、あの貴重な水鉛鉱の話が本物であることを確めた。またそれを発見した真の権利者である金山源介が死んでいるこ....
火星探険」より 著者:海野十三
。さっき君に占ってもらった火星探険協会長のデニー博士ね、あのときの占いは、あれは本物なのかい、それとも口から出まかせなのかい」 そういって聞いたのは、今まで黙....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
魔の空間』です。それから中にうごめいているのは、ミミ族であります」 「ほんとうに本物が見えているのかね。この望遠鏡みたいなものの中に、なにか仕掛があって、絵でも....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
関大尉がこれを聞いたら、どんな顔をするであろうか。 いや、その七十何名の中に、本物の川上機関大尉がまじっているかもしれないのだ。そして、夥しいこのカワカミ集団....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
本物語は謂わば家庭的に行われたる霊界通信の一にして、そこには些の誇張も夾雑物もな....
活動写真」より 著者:淡島寒月
点においては正直にいえば西洋物だとても、どれもこれもいいとはいえないが、しかし日本物に較べたら、さすがに一進歩を示している。日本物もこういう舞台装置の点について....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
ことが出来る。サソリの形に彫られた琥珀のパイプを口に持って行こうとすると、それが本物のサソリになっている、という例に出くわしたことさえある。 密室内で演じられ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
また喚いて件の薪雑棒を振廻す、形相あたかも狂者のごとく、いや、ごとくでない、正に本物である。蓋し小金も溜って、家だけは我物にしたというから、人一倍、むしろ十倍、....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
地の漁師の船も、近くで行ってましたが、奴等は、赤っ腹位捕って喜んでる手合計しで、本物は、何時も江戸の方に抜いてかれてますので、内心縄張内を荒らされてる様な気が仕....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
る男がぬっと出てくる。こんな間の中国旅館に二週間ばかり泊まったが、ある夜とうとう本物の馬賊の襲撃を受けてしまった。馬賊は鉄砲をうちながら宿の周囲をかけ回ったが、....
魯迅さん」より 著者:内山完造
生徒に教えた。それが新しい中国の版画のはじまりです。その狙いは、油絵も、中国画も本物は一枚だ。これでは或る一部分の人しか鑑賞することができない。特に油絵などは画....