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本目
「本目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
ルの上に立ち上がったなり、アブサントを六十本飲んで見せました。もっともこれは六十
本目にテエブルの下へ転《ころ》げ落ちるが早いか、たちまち往生してしまいましたが。....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
《なかんずく》海軍の将校たちの大声に何か話しているのは肉体的に不快だった。彼は二
本目の「朝日」に火をつけ、プラットフォオムの先へ歩いて行った。そこは線路の二三町....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
た。大砲も欠伸《あくび》をするかも知れない。彼は大砲の下に腰を下した。それから二
本目の巻煙草へ火をつけた。もう車廻しの砂利《じゃり》の上には蜥蜴《とかげ》が一匹....
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
まったら、どうしますか。国防上、由々しき問題だ。すぐ決めましょう」 「しかし。三
本目の腕をつける場所が、ちょっと心配になるのでしてナ、背嚢を背負うのに邪魔になっ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
盗まれてしまったのである。僕は畳の上に胡座をかくと、全く途方に暮れてしまった。何
本目かの莨を、火鉢の中に突きこんでいるときに、ようやく僕の決心は定まった。時間は....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
がとびこんできたものであった。肩口のところで紅くなってムクムク膨れ出してくる第三
本目の腕の痕など、ちょっと一と目見たい好奇心もおこるけれど、やはり恐ろしかった。....
「蠅男」より 著者:海野十三
ブルと身慄いを催した。 「こうしちゃいられないぞ」 帆村は吸いつけたばかりの二
本目の莨を灰皿に捨てて、スックと立ち上った。蠅男の正体も調べたいが、若き二人の安....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
となく人生の水先案内のようにも感じられた。そこでまた柳の根方に片足かけ、やおら二
本目の煙草を喫ってから、見残した芝居の幕のあとを見届ける気持で、半町ほど距った人....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
はい、両手を下げて、白いその両方の掌を合わせて、がっくりとなった嘉吉の首を、四五
本目の輻の辺で、上へ支げて持たっせえた。おもみが掛ったか、姿を絞って、肩が細りし....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ゃ当分のうち間に合いません。稿料|不如傘二本か。一本だと寺を退く坊主になるし、三
本目には下り松か、遣切れない。」 と握拳で、猫板ドンとやって、 「糸ちゃん! ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
のアラビヤ模様の中へ仰向けにごろりと寝た。ベッシェール夫人のところで火をつけた二
本目の煙草を挟んだ左の手に右の手を手伝わせて妻からの手紙の封筒を切った。いつもの....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ちゃまぜになったとこのように感じた。いちょう返しがひどく珍らしかった。桜も四、五
本目についた。事は相続の手続きが遅れたとかいうのでほんのちょっとした調べではあっ....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
の先は折れ曲っているので玄関はどのくらい先にあるか判らない金持の邸の並木の欅五六
本目のところでカーキ色の古ズボンを穿いた老人が乾した椎茸を裏返している。こんな町....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の湯豆府ですのね。」 ふうと、お洲美さんの鼻のつまった時は、お銚子がやがて四五
本目で、それ湯を、それ焦げる、それ湯を、さあ湯だ、と指揮と働きを亭主が一所で、鉄....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
本。「もうけ損って不機嫌な処だから、少し手間が取れました。」この外交家だから、二
本目は、公園の坂の出口を行越した町で、煙草を買って借りたなどはものの数でもない。....