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本箱
「本箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
本に対する信輔の情熱は小学時代から始まっていた。この情熱を彼に教えたものは父の
本箱の底にあった帝国文庫本の水滸伝《すいこでん》だった。頭ばかり大きい小学生は薄....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
こうぎく》の双幅とのほかに、装飾らしい装飾は一つもない。壁に沿うては、五十に余る
本箱が、ただ古びた桐の色を、一面に寂しく並べている。障子の紙も貼ってから、一冬は....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
っても、古い懸物《かけもの》が懸っている。花も始終絶やした事はない。書物も和書の
本箱のほかに、洋書の書棚も並べてある。おまけに華奢《きゃしゃ》な机の側には、三味....
「或る女」より 著者:有島武郎
行って、倉地が始終身近に備えているピストルをあちこちと尋ね求めた。しまいにそれが
本箱の引き出しの中の幾通かの手紙と、書きそこねの書類と、四五枚の写真とがごっちゃ....
「星座」より 著者:有島武郎
光っていた。園はいつものとおり、ドアの蔭になっている釘に、外套と帽子とをかけて、
本箱の隅におきつけてあるマッチを手探りに取りだしてラムプに灯をともした。机の上に....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
一面に当る中に、声は噪ぎ、影は踊る。 すてきに物干が賑だから、密と寄って、隅の
本箱の横、二階裏の肘掛窓から、まぶしい目をぱちくりと遣って覗くと、柱からも、横木....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
猫の魂がじゃれに来たに違いないというのだった。 六 草双紙 僕の家の
本箱には草双紙がいっぱいつまっていた。僕はもの心のついたころからこれらの草双紙を....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
月、星を左右の幕に、祭壇を背にして、詩経、史記、二十一史、十三経|注疏なんど
本箱がずらりと並んだ、手習机を前に、ずしりと一杯に、座蒲団に坐って、蔽のかかった....
「転機」より 著者:伊藤野枝
潔で貧しかった。けれどもその狭い畳の上には、他のものとは全くふつりあいな、新しい
本箱と机が壁に添って置かれてあった。机のすぐ上の壁には、T翁の写真が一つかかって....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
た、あれなる出窓じゃ―― 何と、その出窓の下に……令嬢、お机などござって、傍の
本箱、お手文庫の中などより、お持出でと存じられます。寺、社に丹を塗り、番地に数の....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
お化……なら、お化で、またその人ならその人で、言いたいことが一切経、ありったけの
本箱を引くり返したのと、知っただけの言を大絡にしたのが、一斉に胸へ込上げて、咽喉....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ん好みでしょう、……がそれはまだ可い。傍の袋戸棚と板床の隅に附着けて、桐の中古の
本箱が三箇、どれも揃って、彼方向きに、蓋の方をぴたりと壁に押着けたんです。……」....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
て、お土産興行、といった心持でござんしてな。」 「そのお土産をね、津山さん、……
本箱の上へ飾ってある処へ……でしょう。……不意でしょう。まるで動いて出たようでし....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、蔵人。」 涼しい声で、たしなめるように呼懸けながら、店の左手に飾った硝子戸の
本箱に附着けて、正面から見えるよう、雑誌、新版、絵草紙、花骨牌などを取交ぜてなら....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
まして、すでに今日まで集まっておるのが五、六百ないし七、八百に達しておりまして、
本箱の中は報道をもって充満しております。これは誠に私の望むところで、図らずもかく....