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本籍
「本籍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本籍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
岩礁の間より、左眼失明せる二十六、七歳の美わしき漂流婦人を救えり。所持品により、
本籍並びに番匠幹枝という姓名だけは知りたれども、同人は精神激動のためか、殆んど言....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
の芝居にもなったことのある私達の女の同志は、ちゃんと向うに分っている自分の名前や
本籍さえも云わないで、最後まで頑張り通して出てきたの。――シャヴァロフ以上よ!」....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
校というのがあった。中央は本科で地方は予科だ。ある師団、たとえば第一師団の管轄に
本籍を持っているものは、その師団司令部所在地の、すなわち東京の地方にはいった。そ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
署長の慧眼を称えるように司法主任は答えた。 署長の見込は外れなかった。支倉の
本籍山形県へ照会すると、果して彼は窃盗の前科三犯を重ねた曲者だった。宣教師の資格....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
ら時々ちょいちょい遊びに行ったに過ぎない。少しも自分の国というような気はしない。
本籍はそこにあったのだが、その後東京の自分の住んでいた家に移した。 ただ越後の....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
ったそうです。もちろん庶子のイト子なんて見当らんです。しかし高橋の調べて来たのは
本籍のある蒲田区役所のもので、あれは戦災で原簿が焼けて新しく申告したものに拠って....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
は問題にもならず、何かさらさらとして意気な忠臣蔵だと思えただけであった。一力楼は
本籍を東京へ移してしまった訳である。 大阪役者が三人吉三をやる時にも、一層の事....
「町内の二天才」より 著者:坂口安吾
と、そこはバタ屋集団で、団長さんは頭をかきながら、 「あのガキですかい。たしかに
本籍はここだがね。どこをのたくってるか、誰にも分りゃしないよ。ま、きいてあげるけ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
せられた。少女もまた兄の赴任に随いて小倉へ行った。 鶴見は兵役関係で父の郷里の
本籍地へ行き、不合格を言い渡されてからもなお滞留していた。それから足掛け三年もぐ....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
もうなく、ずつと年の違う兄が後をついで僅かばかりの土地を耕している。彼は元来なら
本籍地に勤務するはずなのを、特に思うところあつて、群馬県を撰んだ。職務がら顔見知....
「髪」より 著者:織田作之助
夜私は大阪市内の親戚の家に泊った。私は点呼の訓練は寄留地の分会で受けたが、点呼は
本籍地で受けねばならなかった。 点呼令状によれば点呼を受ける者は午前七時に点呼....
「被尾行者」より 著者:小酒井不木
とかでした。もとより私は委しいことは知りませんから、何も申しませんでしたが、ただ
本籍だけはいつか書いたものを頂きましたので、それを見せてやりました」 「それだけ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の難儀を免れることは私にはとても出来ない。殊に我が国の現今の状態は、決して貴僧の
本籍を明らかにすべき時機ではありません。ですから一時帰郷せられて他日の好時機を俟....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
父五郎兵衛義、何方の穢多に御座候哉相分不度候。 などある。見懸人とは、その村に
本籍を有せぬものが現にその村に住んでいるのを見かけて、見懸銀を負わせたものの称で....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ったものもありましょうが、多くは一旦公民となっていたものが、なんらかの事情でその
本籍地から逃亡したものなのです。 浮浪民と申しましても、必ずしも常にその居所を....