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本能的
「本能的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本能的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
「大分にお待ちなすったろう。めずらしく今朝は、朝湯に行ったのでね。」
馬琴は、
本能的にちょいと顔をしかめながら、いつもの通り、礼儀正しく座についた。
「へへえ....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
い》をしたのは勿論である。が、喝采している内に、自分は鉄棒の上の丹波先生を、半ば
本能的に憎み出した。と云ってもそれだけまた、毛利先生に同情を注いだと云う訳でもな....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
子さんのお母さんの顔にある表情を感じました。それはちょっとした驚きと一しょに何か
本能的な憎しみを閃《ひらめ》かせている表情です。けれどもこの奥さんはすぐにもの静....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。彼らがどんな種類の人でどんな職業に従事しているかを知る者はなかった。岡などは
本能的にその人たちを忌《い》みきらっていた。葉子も何かしら気のおける連中だと思っ....
「或る女」より 著者:有島武郎
られない。そうした衝動が自分でもどうする事もできない強い感情になって、葉子の心を
本能的に煽《あお》ぎ立てるのだった。この奇怪な二つの矛盾が葉子の心の中には平気で....
「星座」より 著者:有島武郎
、おぬいの額ぎわをじっと見つめていたのだと知れた。おぬいは不思議にもそれを知ると
本能的にはっと思った。渡瀬さんも日ごろの渡瀬さんに似合わず、少し慌てながら顔を紅....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
底深い口をあけている。そこに知らず知らず近づいて行きつつあった自分を省みて、君は
本能的に身の毛をよだてながら正気になった。 鋭い音響は目の下の海産物製造会社の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
個性は外界の刺戟によらず、自己必然の衝動によって自分の生活を開始する。私はこれを
本能的生活(impulsive life)と仮称しよう。 何が私をしてこの衝動....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
どバビロニア人における太陽神マルドゥクと同様であった。他のいろいろの民族でもまた
本能的に多神崇拝から太陽礼拝に移っていったので、その一例は日本人である。 時代....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
原動力である。しかし最終戦争以後は、その闘争心を国家間の武力闘争に用いようとする
本能的衝動は自然に解消し、他の競争、即ち平和裡に、より高い文明を建設する競争に転....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
能率に匹敵し得ざることを認め、急速に方向を轉換するに到つた。 自由主義は人類の
本能的欲求であり、進歩の原動力である。これにたいし、統制は專制と自由を綜合開顯せ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
の稲妻が、雨のごとき冷汗を透して、再び光った。 次の瞬間、銑吉の身は、ほとんど
本能的に大榎の幹を小盾に取っていた。 どうも人間より蝉に似ている。堂の屋根うら....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ざしながら、いろいろのことを話し合った。体の逞しい姉の夫は人一倍|痩せ細った僕を
本能的に軽蔑していた。のみならず僕の作品の不道徳であることを公言していた。僕はい....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
蒼くなって言った。 銅像の肩から転落した女を、きつけの水に抱込んだのはほとんど
本能的であったといって可い。しかし、鬢も崩れ、髪も濡れて、二人とも頭から水だらけ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
なる危機が幾度か襲来した事と思う。それを乗越え得たのは「祖国の急」に対する大衆の
本能的衝動であった。マルクス主義の理論が自由主義の次に来たるべき全体主義の方向に....