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「本膳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本膳の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
炬火をこさえた。 「まだかな」先刻から焦々して居る辰爺さんが大声に唸やく。 「今本膳が出てる処だからな」母屋の方を見ながら一人が辰さんを宥める。 「それはソウと....
石狩川」より 著者:本庄陸男
にしてきちんと坐っていた。風もないのにときどき燭火が揺れるのだ。すると、脚たかい本膳の稜《かど》に描き込まれた定紋がきらめくのであった。 久しぶりの主君を正面....
笑い」より 著者:寺田寅彦
だけには限らない事がわかって来た。子供の時分に不幸見舞いに行って笑い出した事や、本膳をふるまわれて食っている間にふき出したような話をする人も二人や三人はあった。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かしずいているのですから、お婆さんはいたく恐縮し、 「こりゃ、まるで、大勧進で御本膳をいただくようなものだ」 そこで、お婆さんは、お椀をおしいただいて、お蕎麦....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てもテレ加減を隠すことができない。案内されるままに足を洗って、客座敷へ通されて、本膳で飯を食わされた時に、存外|贅沢《ぜいたく》だなあと思いました。 一方、本....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
めて雑沓するので、はぐれはしまいかと心配した。 さて戸塚へ泊ると、宿屋の食事は本膳で汁や平がつくので、常に質素な食事ばかりしていたから、大変な御馳走だと思った....
初看板」より 著者:正岡容
い場面をよく覚えておいたので、のちにそれが本職の落語家《はなしか》になってから「本膳」や「百川《ももかわ》」なんて田舎者の出る噺のときにたいへん役に立ちました。....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
食事の意味につかうことは、西洋もよく似ている。人を働かせる日の間食にはかぎらず、本膳を出さぬほどの手がるな饗応を、お茶というところは田舎には多く、ことに九州など....