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本色
「本色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ではなく、もし政府が躊躇せず立ちどころに追認すれば、グリーンランドの北部が赤い日
本色で染められる。 まったく、その日一日は夢中裡の気持だった。こうなると、ただ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
序を重んじて貴族主義に傾く、もって両論派の差違を見るに足り、またもって自由論派の
本色を知るに足るべし。 第五 改進論派 改進論派は真に泰西のリベラー....
「骨董」より 著者:幸田露伴
いうものがあるが、それは下って元の頃に出来たもので、ほんとの定窯ではない。北定の
本色は白で、白の※水の加わった工合に、何ともいえぬ面白い味が出て、さほどに大した....
「運命」より 著者:幸田露伴
言を為さず、放逸曠達の態無し。勉学の詩二十四章の如きは、蓋し壮時の作と雖も、其の
本色なり。談詩五首の一に曰く、 世を挙って 皆|宗とす 李杜の詩を。 知らず 李....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
詳しい事情は判明しないが、間辺氏の斯様な態度は栗山大膳以来の片意地な黒田武士の
本色であったと同時に、只圓翁門下の頑固な気風を端的に露出したものであったという。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
すわいな」の名文句から思い出の優婉《ゆうえん》な想像が全く破れる。涙ながらに「日
本色里の総本家」という昔の誇りを弔《とむろ》うて、「中《なか》の町《ちょう》」「....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と感ずるのは無理もありません。 しかし、夜というものは一体に、沈静と、回顧とを
本色とするものですから、普通平凡な景色も、夜の衣をかけて見ると、少なくも一世紀の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こうして薪を取っている七兵衛の存在を疑うのも無理はありませんが、これこそ七兵衛の
本色ということを、誰か知る。
筒袖の垢染《あかじ》みた百姓着に、古い三尺をこく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》めるすべての性格を忘れて、本然《ほんねん》の、春のように融和な、妙麗なお銀様の
本色を知ることができるらしくあります。 しかし、ひとたび、物に触れて彼女が、そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
受け得られないところに、受け得られないで平々淡々たる親しみを感ずるところに、海の
本色と、その偉大さがあるといってもいい。そういう意味において、人間にも、人間のう....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
てくる。而もその上にまた、松本千重子の面影が重ってくるのだ。いったい桜島の山肌の
本色は何なのか。彼女等の面影の
本色は何なのか。如何に美しく七色に変ろうとも、俺に....
「愛の問題(夫婦愛)」より 著者:倉田百三
満足していたら、人生は何たる平凡、常套であろう。男性は獅子であり、鷹であることを
本色とするものだ。たまに飛び出して巣にかえらぬときもあろう。あまり小さく、窮屈に....
「色彩映画の思い出」より 著者:中井正一
っているのを知った。私たちは美学の友人辻部政太郎と共に、この安藤君を助けてぜひ日
本色彩映画の最初の試みをしてみたいと、いつも語りあっていた。 またそのころ、芦....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
つでも我が国では英国と合戦をやるというような意気込みで、誠に愉々快々として豪傑の
本色を表わして居ったというて、感心して居った人がありました。この時私は前に何か事....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
メフィストフェレス(独語。)
もうそろそろ乾燥無味な調子に厭きて来た。
ちと
本色の悪魔で行って遣るかな。
(声高く。)
医学の要旨は造做もないものだよ。....