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本身
「本身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て騒いだ。勘平の刀は舞台で用いる金貝《かながい》張りと思いのほか、鞘《さや》には
本身《ほんみ》の刀がはいっていたので、角太郎の切腹は芝居ではなかった。夢中で力一....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の手触りがほんとうの樫じゃあねえ。たしかに竹のように思った。してみると、槍突きは
本身の槍で無しに、竹槍を持ち出して来るんだ。十段目の光秀じゃあるめえし、侍が竹槍....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
て、あの類の勇み肌が勝つことに筋が仕組まれておりまするが、啖呵では勝ちましても、
本身の刄先が飛び出したとなりますると、筋書通りに参りますまいかと思いまする」 「....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
我々竜に五事の苦しみあり、生まるる時、眠る時、婬する時、瞋《いか》る時、死ぬ時、
本身を隠し得ず、また一日のうち三度皮肉地に落ち熱沙身を暴《さら》すと答う、何が一....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
と侍者の二態あり。前者はこの神を本尊と斎《いつ》く祠に限り、後者は羅摩またはその
本身|韋紐《ヴィシュニュ》を本尊として脇立《わきだち》とす(第六図は余が写実し置....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
氷のごとく冷たしと聞き、その変化《へんげ》の物たるを知り、唐僧師弟の助力で獅子の
本身を現わさしめ、父王を再活復位せしめたとある。仏説にも男女もしくは黄門(非男非....
「窃む女」より 著者:黒島伝治
着物に好みが出来てくる。一ツ身や、四ツ身を着ている頃はまだいゝ。しかし四ツ身から
本身に変る時には、拵えてやっても、拵えてやってもなお子供は要求する。彼女達は絶え....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
いう役廻りだ。鷲撃ちの時にゃあ、おれもこんな犬おどしの木刀を差しちゃあ行かねえ。
本身の脇指をぶっ込んで出かけるんだから、そう思ってくれ。あははははは。」 彼は....
「数学史の研究に就きて」より 著者:三上義夫
達。中古受印度阿刺伯之影響。近古受泰西耶教徒之影響。其間経路有極難明者。又其学問
本身之発展。有逃出現代西洋該科学之系統者。吾人既絶望於国内専家之闡明。不能不先学....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
議でございます。 与兵衛 損料屋さん。(詰るように。)おまえさんの持って来た刀は
本身かえ。 五助 (あわてて。)ええ、飛んでもねえ。なんで
本身なんぞを持って来る....
「花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
いて御覧あそばせ」 僕もラキ子さんもこわごわ手にするとその重いこと、 「それは
本身の鉄です。こちらがジュラルミン、そこにあるのが樫の身に銀箔を張ったものです。....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
みということはないようだ、木太刀を交ぜて、三本の刀を腰に横たえているのもあるし、
本身の槍をかついで出て来る者もある。戦となったら、こういう連中が誰より先に血を見....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の辻の辺りで見えなくなった。 菊王はいまいましげに。 「何もかも、おあるじの御
本身をば、知り抜いていたような彼奴の口吻。ただの山伏とも思えませぬ。そもあれや、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、具足師柳斎との間に、いったいどんなかかわりがあるものなのか。 かねがね柳斎の
本身に、疑念を抱いていた元成は、一そう或る決意を強くした。――すぐにも、ここの家....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
あざむき切れぬようで、 「……あわれ、やがて世もしずまらば、仮の姿は捨て、墨染の
本身に帰り、まことの一|沙弥になり申さん。――生れし所、生れし世、かくのごとき時....