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「本道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
いので、やっぱり今まで歩いて来たその幅《はば》の広いなだらかな方が正《まさ》しく本道、あと二里足らず行けば山になって、それからが峠になるはず。 と見ると、どう....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
をかけられたようにしびれていた。ようようの事で君は雪の中から爪先をぬいて一歩一歩本道のほうへ帰って行った。はるか向こうを見ると山から木材や薪炭を積みおろして来た....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
ました。あれで三四丁もありましょうか、クネクネとした路を通り切って其処は駅まで一本道になっているところまで来ましたとき、見るともなしに向うを見ますと、一寸始めは....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
であろうか。 このように考えてくると、銃丸は車内でぶっぱなされたと考えるのが、本道である。だが車内でズドンという音を聞いたものがないではないか。それなら消音ピ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
は午後十一時十分であったが、玉川線は十時半が終車ゆえ、歩くしかない。焼跡の間の一本道を大坂上にかかったとき、警戒警報が発令された。あまり灯火を消す風も見えず、憲....
少年探偵長」より 著者:海野十三
盗まれるか知れない。今のうちに、文句をうつしておこう」春木は、やっと今になって、本道へもどった。しかし彼は、本道へもどるまでに、二度も大失敗をくりかえしている。....
海底都市」より 著者:海野十三
この廊下は、迷路に似たもので、家の中をぐるぐる廻るようになっていますが、しかし一本道ですから、決して迷うようなことはありません。それにこの廊下を通る間に、私たち....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
れが島だと気がつけば、そこで道が開けるんです。向いの壁へ渡っていけば、島を離れて本道へ出られるチャンスが開けるからです。しかしそれに気がつかないと、いつまでも島....
薬草取」より 著者:泉鏡花
からは少しずつ次第に流に遠ざかって、田の畦三つばかり横に切れると、今度は赤土の一本道、両側にちらほら松の植わっている処へ出ました。 六月の中ばとはいっても、こ....
若菜のうち」より 著者:泉鏡花
……さあ、もう冬であった。 場所は――前記のは、桂川を上る、大師の奥の院へ行く本道と、渓流を隔てた、川堤の岐路だった。これは新停車場へ向って、ずっと滝の末とも....
東京要塞」より 著者:海野十三
えなくなった。もちろん十字路のストップは一度も喰わなかった。なんだか郊外の方へ一本道にずんずんと進んでゆくように感ぜられたが、そのうちに数台の消防自動車のサイレ....
転機」より 著者:伊藤野枝
側も、後も、森として人の気配らしいものもしない。 「橋の処からここまで、ずっと一本道なんだからな、間違えるはずはないが、――まあもう少し行ってみよう。」 山岡....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
枝ぶりの佳いのを見立てたので。――真の夜泣松は、汽車から来る客たちのこの町へ入る本道に、古い石橋の際に土をあわれに装って、石地蔵が、苔蒸し、且つ砕けて十三体。そ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
べきである。(私の梗概がその以下に及ばないのはこの理由からである。)『八犬伝』の本道は大塚から市川・行徳・荒芽山と迂廻して穂北へ達する一線である。その中心点が大....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
。……屋台を崩して、衣装|葛籠らしいのと一所に、荷車に積んで、三人で、それは畷の本道を行きます。太神楽も、なかなか大仕掛なものですな。私の居た畷へ入って来たその....