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本郷
「本郷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本郷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
始め小綺麗《こぎれい》な商店の軒を並べた、江戸伝来の下町も何か彼を圧迫した。彼は
本郷や日本橋よりも寧《むし》ろ寂しい本所を――回向院を、駒止《こまど》め橋《ばし....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
、長ながとクッションの上に仰向《あおむ》けになった。するとたちまち思い出したのは
本郷《ほんごう》のある雑誌社である。この雑誌社は一月《ひとつき》ばかり前に寄稿を....
「彼」より 著者:芥川竜之介
一
僕はふと旧友だった彼のことを思い出した。彼の名前などは言わずとも好《い》い。彼は叔父《おじ》さんの家を出てから、
本郷《ほんごう》のある印刷屋の二階の六畳に間借《まが》りをしていた。階下の輪転機....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
満足が、そのために、少しでも損ぜられる事なぞはないのである。
そこで、斉広は、
本郷《ほんごう》の屋敷へ帰ると、近習《きんじゅ》の侍に向って、愉快そうにこう云っ....
「葱」より 著者:芥川竜之介
なものだ。思うにこの田中君のごときはすでに一種のタイプなのだから、神田《かんだ》
本郷《ほんごう》辺のバアやカッフェ、青年会館や音楽学校の音楽会(但し一番の安い切....
「路上」より 著者:芥川竜之介
そうしてこれまた Hanabusa と署名のある英仏独伊希臘羅甸の書物が、時々|
本郷通《ほんごうどおり》の古本屋《ふるぼんや》に並んでいるので、とうから名前だけ....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
。それが男は、たいてい、うすぎたない日本の浴衣《ゆかた》をひっかけている。いつか
本郷座《ほんごうざ》へ出た連中であるが、こうして日のかんかん照りつける甲板に、だ....
「夢」より 著者:芥川竜之介
ば谷中三崎町《やなかさんさきちょう》にいるはずだった。が、Mの主人の言葉によれば
本郷東片町《ほんごうひがしかたまち》にいるはずだった。わたしは電燈のともりかかっ....
「或る女」より 著者:有島武郎
っていた。
そこで葉子はぎょっとして立ちどまってしまった。短くなりまさった日は
本郷《ほんごう》の高台に隠れて、往来には厨《くりや》の煙とも夕靄《ゆうもや》とも....
「或る女」より 著者:有島武郎
とにかく、何よりもきたならしい感じがして箸《はし》もつける気になれなかったので、
本郷《ほんごう》通りにある或《あ》る料理屋から日々入れさせる事にした。こんなあん....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
とについて、ここに改めて感謝の意を表しておきたいと思う。 昭和六年八月下旬
本郷曙町に於て寺田寅彦....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
坂から電車に乗って、上野で乗換えて、序に琳琅閣へよって、古本をひやかして、やっと
本郷の久米の所へ行った。すると南町へ行って、留守だと云うから
本郷通りの古本屋を根....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
たので、観音堂の傍で耳の垢取りをやろうというので、道具などを作った話もあります。
本郷玉川の水茶屋をしていた鵜飼三二さんなどもこの仲間で、玉川の三二さんは、活きた....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
へ、姿を下駄音と共に消すのも、満更厭な気ばかり起させる訳でもない。 私も嘗て、
本郷なる何某と云うレストランに、久米とマンハッタン・カクテルに酔いて、その生活の....
「豊島与志雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
島に会ってからの事だったと思う。 初めて会ったのは、第三次の新思潮を出す時に、
本郷の豊国の二階で、出版元の啓成社の人たちと同人との会があった、その時の事である....