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本郷通り
「本郷通り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本郷通りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、しきりとのぞいているのです。 半紙一枚に書いた絵図面でした。 ここのところ
本郷通り。 ここかど。 こちらへい。 ここかど。 隣、インショウジ。 ....
「道草」より 著者:夏目漱石
く》をいう余裕のない彼は、不満足のうちに満足しなければならなかった。 彼はまた
本郷通りにある一軒の呉服屋へ行って反物《たんもの》を買った。織物について何の知識....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。 塩、まいて、おくれ。」 木曾街道の終点とも言うべき板橋から、半蔵が巣鴨、
本郷通りへと取って、やがて神田明神の横手にさしかかった時、まず彼の聞きつけたのも....
「俳諧瑣談」より 著者:寺田寅彦
ッ、ホッ、ホッ」と押し出すような特徴ある笑声を思い出すのである。 ある冬の日の
本郷通りで会った四方太氏は例によってきちんとした背広に外套姿であったが、首には玉....
「縮図」より 著者:徳田秋声
あった。 松島は儲けの荒いところから、とかく道楽ものの多いといわれる洋服屋で、
本郷通りに店をもっていた。年上の女房に下職、小僧もいて、大学なぞへも出入りしてい....
「海流」より 著者:宮本百合子
え。――だって……。平気だろう?」 「僕はいいさ」 宏子は、お茶の水駅に向って
本郷通りの夜店の出ていない側をよって歩いて行った。土曜日の晩らしく、むこう側の明....
「伸子」より 著者:宮本百合子
子は笑った。祖母は、俥を命じさせるとき、きっと、伸子のところに来たいとは云わず、
本郷通りへ呉服ものを見に行くからとでも云ったのだろう。その、せずとよい云いわけを....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
をひやかして、やっと本郷の久米の所へ行った。すると南町へ行って、留守だと云うから
本郷通りの古本屋を根気よく一軒一軒まわって歩いて、横文字の本を二三冊買って、それ....
「震災日記より」より 著者:寺田寅彦
青い月が照らしていた。 九月二日 曇 朝大学へ行って破損の状況を見廻ってから、
本郷通りを湯島五丁目辺まで行くと、綺麗に焼払われた湯島台の起伏した地形が一目に見....
「虎狩」より 著者:中島敦
うのはこうだ。 三日程前の午過《ひるす》ぎ、友人に頼まれた或る本を探すために、
本郷通りの古本屋を一通り漁《あさ》った私は、かなり眼の疲れを覚えながら、赤門前か....
「異質触媒作用」より 著者:寺田寅彦
ているので街道は塵が多く、川越街道の眺めが一体に濁っていた。 巣鴨から上野へと
本郷通りを通るときに、また新しい経験をした。毎週一、二度は必ず車で通る大学前の通....
「雁」より 著者:森鴎外
今|春木町から衝き当る処にある、あの新しい黒い門が出来たのである。赤門を出てから
本郷通りを歩いて、粟餅の曲擣をしている店の前を通って、神田明神の境内に這入る。そ....
「円朝花火」より 著者:正岡容
と、鉄輪の音響《おと》を立てながら走っていた。 十一時過ぎとはいえ、新秋の宵の
本郷通りは放歌高吟の書生の群が往来繁く、ときどき赤門のほうで歓声が上がった。 「....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
枚「江戸あるき」とかいう虫の食った本を一冊。当日は本所の五百羅漢へゆくつもりで、
本郷通りを真すぐに切通し、寄席の求肥の、めがねへ出ました。すたすたもので、あれか....