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「本領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本領の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
》に陣どっていた。が、命令を与えるよりものべつに僕に話しかけていた。 「あれが日本領事館だ。………このオペラ・グラスを使い給え。………その右にあるのは日清汽船会....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
近く昭和六七年に勃発せる満洲、上海事変に於ては、戦闘区域は外国内に限られ、吾が日本領土内には敵の一兵も侵入することを許さなかったのである。然るに、今次の日米戦役....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
たちの方へとびついて来たからであった。 「あのう、こちら、リスボンからいらした日本領事館の方でしょう。あたしたちお迎えにあがりましたのよ」 娘たちは、私たちを....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
せるごとくに、 そういえば――影は尖って一番長い、豆府屋の唐人笠も、この時その本領を発揮した。 余り随いて歩行いたのが疾しかったか、道中へ荷を下ろして、首を....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
認むるに至った。その中|不図したことで、彼自身霊媒能力を発揮した。 モーゼスの本領は自動書記であるが、しかし彼は、稀に見る多方面の霊媒であった。彼を通じて起っ....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
んだが、――」 日本人は一句一句、力を入れて言うのです。 「私の主人は香港の日本領事だ。御嬢さんの名は妙子さんとおっしゃる。私は遠藤という書生だが――どうだね....
端午節」より 著者:井上紅梅
っていない。この気癖が時に依ると、自分ながらも一人離れて偉く見えるが、同時に実は本領がないのじゃないかと疑うことがある。 誰も彼も左を求め右を求め、一|節期一....
ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
愉快であつた。 そこへ行くと「ル・ミリオン」「幽霊西へ行く」の二作は、彼が彼の本領に即して融通無碍に仕事をしているし、形式と内容がぴつたりと合致して寸分のすき....
人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
や性質から彼の仕事の本質を推定するとき、過去における彼の仕事のごときは決して彼の本領だとは思われない。もしもいささかでも作品に人間が現われるものならば、彼の作品....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
子|引さくなごり哉 である。引裂くなどという景気は旅費の懐都合もあり、元来、翁の本領ではないらしい……それから、 石山の石より白し秋の霜 芭蕉 那谷寺にお....
源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
の一人であると伝えているが晩年の源之助は寄る年波と共に不遇の位地に置かれて、その本領をあまりに発揮していなかった。 源之助が活動したのは明治時代の舞台で、大正....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
才気を存分に振ったにしろ、根が町人よりは長袖を望んだ風流人|肌で、算盤を持つのが本領でなかったから、維新の変革で油会所を閉じると同時に伊藤と手を分ち、淡島屋をも....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
たのを遺憾とするものがあった。 が、私の思うままを有体にいうと、純文芸は鴎外の本領ではない。劇作家または小説家としては縦令第二流を下らないでも第一流の巨匠でな....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
辺三山であって、三山は力を尽して二葉亭を百方|慰撫するに努めた。が、二葉亭が自ら本領を任ずる国際または経済的方面の研究調査にはやはり少しも同感しないで、二葉亭の....
名もなき草」より 著者:小川未明
、それが詩人であったなら、また、他の芸術家であったなら、いずれでもいゝ固く自己の本領を守って、犯されずに、存在することが、力であるのだ。即ち、それが正義であるの....