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札付き
「札付き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
札付きの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
浅草のカフェーの菓子、握りすし、盛すし、天プラ、印形、青物なぞ、何でもカンでも正
札付きで、中には支那料理の折詰なぞいう珍品もある。 無正札は「女」だけ 浅草辺....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らだを半七にすり付けて、泣いてすがった。 すがられた半七もほろりとした。町内で
札付きのいたずら小僧も、その小さい心の底にはこうした美しい、いじらしい人情がひそ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
お墓まいりか」と、半七は訊いた。 「そうでございます、と云いてえのですが、どうも
札付きの親不孝で……」と、三五郎はあたまを掻きながら又笑った。「実は親分に無理を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら蛇を一匹盗んで、狂言の種に遣ったろう。手前もなかなか芝居気がある。お化け師匠と
札付きになっているのに付け込んで、師匠をそっと絞め殺して、その蛇を死骸の頸へまき....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かしは新吉といって、やはり同じ村に生まれた者であった。長左衛門も新兵衛も土地では
札付きの悪党であったらしい。今から十三年前に二人は共謀して隣り村の或る大尽の家へ....
「火事教育」より 著者:寺田寅彦
根から墜落。勇敢なクジマ、今までに四十人の生命を助け十回も屋根からころがり落ちた
札付きのクジマのおやじが屋根裏の窓から一匹のかわいい三毛の子ねこを助け出す。その....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
究所」なのだから、この点不思議はないのである。だが文部省内に置いておけないような
札付きの官吏だからして、ここの所長に最も適任だということは、どうも少し不思議な推....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
らない。 而してこれらのすべてを完成せしむるには、まず自分として表裏反覆なき正
札付きの人物とならなくてはならない。 この正
札付きの人物にして初めて完全に正札....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
ていた。 そのお勢という女は五十に近く、三伝とともに、永らく欧洲各地を放浪した
札付きであるが、三伝の変死当時は上海にいて、しかも多情、その三伝の死も、暗に糸を....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
ころでは御座いません。今朝ほど、今すこし前のまだ暗いうちに、御城内から大至急の赤
札付きの御差紙が参りまして、年|老っておりまする父、半左エ門へ即刻、出頭せいとの....
「映画雑感(Ⅶ)」より 著者:寺田寅彦
さおもしろさを認識することができるというのであろう。換言すれば、月並みな陳套な正
札付きの真実よりも、うそから出た誠にかえってより多くのより深き真実を見いだすこと....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
やく息を納めてから問うた。 「俺は本当の天狗だ。天狗にもいろいろあるが、俺のは正
札付きの天狗だ。ただし昔話にある羽団扇を持った、鼻の高い、赤い顔の、あんなのでは....
「魚紋」より 著者:吉川英治
方は勿論、長崎から諸国を流れあるいて、行く先々で、豪華な悪の生活をしていたという
札付きの女であるらしかった。 春作は、裸足のまま、本所の家まで走ッて帰った。生....