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札所
「札所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
札所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旧主人」より 著者:島崎藤村
ですねえ」 「わしらの方は皆こうして流しますでござります。御詠歌は西国三十三番の
札所《ふだしょ》々々を読みましてなア」 「どっちの方から来たんですね」 「越後路....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
物園の前には一|輌の馬車が待っていた。白いハッピを着た御者はブラブラしていた、出
札所には田舎者らしい二人づれが大きな財布から銭を出して札を買っていた。 東京に....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
からは四国詣での巡礼さん――それに、この宗七も、もう十手を持つ手はねえ。元気でお
札所を廻って来なよ。」 にっこり別れる三つの旅――また七年後七月七日まで――そ....
「白くれない」より 著者:夢野久作
、まことの非人とや思ひけむ、他意も無げにうち黙頭きつ。此処は筑前国、第四十四番の
札所にして弘法大師の仏舎利を納め給ひし霊地なり。奇特の御結縁なれば和尚様の御許し....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
迚も打つことは出来ませんが、もう十六にも成りましたし、お弟子さんのお話に三十三番
札所の観音様を巡りさえすれば、何んな無理な願掛けでも屹度叶うということを聞きまし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ございましょう」 「生れはどこじゃ」 「西国でござります」 「西国は」 「巡礼の
札所《ふだしょ》でございます」 「なに?」 お松も人に慣れて、このごろではあま....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
まった。 翌朝揺れドシャ降りの中を自動車で太山寺へ向った。そこは西国第何番かの
札所だ。T君のお父さんが閑居しているところの閑寂をきわめたところだった。山には桃....
「上林からの手紙」より 著者:宮本百合子
光寺では本堂の横手に「十銭から御普請のお手伝いを願います」と立札を立てている。お
札所のようなところで御屋根銅板一枚一円と勧進している。銅板に墨で住所氏名を書いた....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
、三十三年八月に円朝は世を去ったのである。その年の十一月、春木座で円朝物の「敵討
札所の霊験」を上演した。主なる役割は水司又市(市蔵)白鳥山平(稲丸)おやま(莚女....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
根川べりの小さな町に住んだことがあった。ここは阪東三十三ヵ所だか八十八ヵ所だかの
札所で、お大師参りの講中というものがくるのである。先達に引率された婆さん連などで....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
ってくれたが亀はあらわれなかった、婆さん御苦労さま有難う。 山の上に第二十四番の
札所東寺がある、堂塔はさほどでないが景勝第一を占めている、そこで、私は思いがけな....
「澪標」より 著者:外村繁
角、佐佐木氏の居城のあった観音寺山がある。その山頂にある観音寺は西国第三十三番の
札所である。西方の一峰は明神山と呼ばれ、その中腹に古刹、石馬禅寺がある。観音寺山....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
たりなさいました、私は蹴られても踏まれても宜うございますが、負笈には三十三番のお
札所を打ってまいりましたから、お札が這入って居りますゆえ、彼の人の足でも曲らなけ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
荷駄の鈴や、宿引きの女の声や、さまざまな旅人の影が織っていた。 四国二十三番の
札所薬王寺にゆく足だまりにもなるので、遍路の人のほの白い姿と、あわれにふる鈴の音....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
しっとりと私のこころに重りかかってくるのであった。 秋のお講連中が三十三ヶ所の
札所廻りに、よく私の寺の方へもやって来た。寂しい白の脚絆をはいた女連れのなかに、....