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朱子
「朱子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朱子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
、父の若い時代としては新しい教育を受けた方だが、その根柢をなしているものはやはり
朱子学派の儒学《じゅがく》であって、その影響からは終生脱することができなかった。....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
がです」「その鉄扇の伯父さまが」「なあに漢学者でさあ、若い時|聖堂《せいどう》で
朱子学《しゅしがく》か、何かにこり固まったものだから、電気灯の下で恭《うやうや》....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いつでも前者が後者を圧倒する。 釈迦は竜樹によって、基督は保羅によって、孔子は
朱子によって、凡てその愛の宝座から智慧と聖徳との座にまで引きずりおろされた。 ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
。されば太宰春台《だざいしゅんだい》が『通鑑綱目《つがんこうもく》』全篇を通じて
朱子の気に叶《かの》うた人は一人もないといったごとく、第一儒者が道徳論の振り出し....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
も歓《よろこ》びこちらも儲けると、今更気付いた人あって、足下《そっか》は当世の陶
朱子房だから何分|播種《はしゅ》しくれと、処女を提供せぬばかりに頼まれたが、所詮....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
無意識にか故意にか無視することによって人々は、東洋哲学的諸範疇――例えば国学的・
朱子学的・陽明学的・仏教的・等々――を欧洲哲学的諸範疇に取って代わらせたり、後者....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
からで、お蘭もそんなら往こうと、下女へ話して急に着物を着替え小紋縮緬の変り裏に黒
朱子に繻珍の帯をしめて、丸髷の後れ髪を撫あげ、白金を出まして、高輪の湊屋と云う船....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ったから、それは既に読んでいて、父から教えてもらった事もあった。その綱とあるのは
朱子の通鑑綱目《つがんこうもく》で、鑑とあるのは司馬温公の通鑑である。この二書の....
「雪の宿り」より 著者:神西清
そういうお席で、お伴について来られた松王様が、傍らにきちんと膝を正されて、易だの
朱子だのと申すむずかしいお話に耳を澄ましておられるお姿を、わたくしどももよく垣間....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
講義が始まっている。 「王陽明の学説は、陸象山から発している。その象山の学説は、
朱子の学から発している。周濂溪、張横渠、程明道、程伊川、これらの学説を集成したも....
「魔都」より 著者:久生十蘭
工風が凝らされてある。緋縮緬の、茶のデシンに黄色い花を刺繍《ろざ》しの、タフタの
朱子の、色もかたちもさまざまである。花がいったことは嘘ではない。鶴子は戸外へも出....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
及ばず。学問の要は活用にあるのみ。活用なき学問は無学に等し。在昔《ざいせき》或る
朱子学の書生、多年江戸に修業して、その学流につき諸大家の説を写し取り、日夜怠らず....
「文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
る。 二十五 哲学思想 江戸時代には支那の諸種哲学は、もとより伝わっておった。
朱子学派は当時の哲学であって、最も広まっているけれども、古学派もあれば陽明学派も....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
り、イナがボラになったと同じで、これは自然の進化である。マルクスを論じていた人が
朱子学を奉ずるようになったのは、進化ではなくして別の物に変ったのである。前の者は....
「日本文化の特殊性」より 著者:戸坂潤
儒教伝来は又、初めから教学の政治的教化性能と結びついていた。そして徳川期に於ける
朱子学、古学、陽明学などは、最も典型的な士大夫(恐らく古代支那=西周に於ては君子....