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朱点
「朱点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朱点の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たものは丙所へ埋めて置いて、自分は常に手ごしらえの絵図面を携帯し、それへいちいち
朱点を打っておいて、時機に応じ、必要に従って、その金を取り出す習いになっているの....
「今戸心中」より 著者:広津柳浪
めた。中には二度も三度も読み返した文もあッた。涙が赤い色のものであッたら、無数の
朱点が打たれたらしく見えた。 この間も吉里はたえず耳を澄ましていたのである。今....
「魔都」より 著者:久生十蘭
やかな様子で入って来た。冷徹たぐいない真名古明を蹉跌させ、枯渇したその心情に一点
朱点をうったあの美しい花である。
帝国ホテルで加十ではない本当の王様に無情《す....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
ったこともはたされるわけだし、虚偽だらけなじぶんの半生の最後に、ただ一度、真実の
朱点を打って死にたいという望みもかなうわけである。そして、そこに高く美しい心情の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
机の上の禅書に、目をおとしていたが、やがて朱筆をとって、その禅書の文字の諸所に、
朱点を打ったり、棒を引いたり、また欄外に書き入れするなど、苦吟、長いことかかって....