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机辺
「机辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
机辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
《たたずん》でいたが、やがて二階へ上ッて来て、まず手探りで洋燈《ランプ》を点じて
机辺《つくえのほとり》に蹲踞《そんこ》してから、さて、 「実に淫哇《みだら》だ。....
「惜別」より 著者:太宰治
豆だの、わざと粗末なたべものばかりで祝うのですからね、痛快な国ですよ。」 私は
机辺に散らばっているたくさんの書籍を見渡した。ほとんど全部が、文芸の書である。独....
「古典竜頭蛇尾」より 著者:太宰治
からあとから湧いて出て、そこら一ぱいにはんらんし、手のつけようもなくなった。この
机辺のどろどろの洪水を、たたきころして凝結させ、千代紙細工のように切り張りして、....
「向嶋」より 著者:永井荷風
集《しゅうしゅう》に着手したわけではない。折々の散歩から家に帰った後|唯《ただ》
机辺に散乱している二、三の雑著を見て足れりとしている。これら座右の乱帙中《らんち....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
。けれども異国語の難関をのり越え、爛熟した生活感情を咀嚼してまで、老大国の文学を
机辺の風雅とすることは、あまりに稚い民族には、いまだ興り得ない、精神の放蕩であっ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
奥へ引っこんでしまった。それきりである。しかし時親は、やはり表が気になるとみえ、
机辺の書物やら山絵図のごとき物を、ひとりごそごそと、かたづけていた。 そこへ婆....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
これは正直にいってありがた迷惑である。系図書などは、作家にとって無価値だし、つい
机辺においても失くし易い。あとから返却を迫られて、当惑したこともある。自分は旅行....