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「杉戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

杉戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
とまさ》の檜《ひのき》の柱や、欄間《らんま》の彫刻や、極彩色の模様画のある大きな杉戸や、黒柿の床框《とこがまち》などの出来ばえを、上さんは自慢そうに、お島に話し....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
》うしてあの人が厭なのか、気の毒な様だ」 と種々《いろ/\》心に思って居ると、杉戸《すぎど》を明けて、 新「お園どんお薬が出来たからお飲みなさい、余《あんま....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
なくそのあとを追いました。 内陣の裏には、奇怪なことにも、小べやがあるのです。杉戸が細めにあいて、ちかりとあかりが漏れているのです。 しかも、小べやのうちに....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
た。家は真実そんなでもなかったけれど、美事な糸柾の杉の太い柱や、木目の好い天井や杉戸で、手堅い廻船問屋らしい構えに見受けられた。裏庭へ突きぬける長い土間を隔てて....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
は礼を述べて立上った。そして黒書院と白書院とのなかにある廊下に来かかると、そこの杉戸の前に、若狭守が一人立っていた。若狭守は箱から取出した懸物を、蓋の上に持ち添....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
かりの座敷がありまして、一間の床の間がありまして巻物や手箱などが乗ってあります。杉戸が二重になって居て両隅の障子へ灯火がさしまして人声がする様ですが、唯今なれば....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
と燈を差出しながら、突あたりへ辿々しゅう。 十八 ばたり、閉めた杉戸の音は、かかる夜ふけに、遠くどこまで響いたろう。 壁は白いが、真暗な中に居....
南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
らっている墨付を長兵衛にやって帰し、それから竿をあげて帰りかけた。と、前の流れへ杉戸が流れて来たが、それが不思議に立ちあがったので、かけてあった菰が落ちた。其処....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
口でとまると、 「ミソギイ」 という女の声がきこえた。護衛の若者がハッと立ち、杉戸の左右に立って、同時にサッと戸をひらく。とたんにパッと白衣に朱の袴のミコが三....
雪の宿り」より 著者:神西清
目算に入れてなかった事が持上った。雪はまだ止む様子もない。風さえ加わって、庫裡の杉戸の隙間から時折り雪を舞い入らせる。そのたびに灯の穂が低くなびく。板敷の間の囲....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
みである。 すると、おどろ怖ましい薄ドロにつれて、下手から、菰をかぶった一枚の杉戸が流れ寄る。 端には一塊の腐れ縄、そこに、蛙がひょんと跳んで、凝っと動かな....
隠亡堀」より 著者:国枝史郎
上げようかい」 何か樋の口から流れ出た。 菰を冠った板戸であった。 「覚えの杉戸」 と伊右衛門は云った。 手を板戸の角へかけた。グーッと足下へ引き上げた....
妾宅」より 著者:永井荷風
の小さな低い鱗葺《こけらぶき》の屋根といい、竹格子の窓といい、入口《いりくち》の杉戸といい、殊に手を洗う縁先の水鉢《みずばち》、柄杓《ひしゃく》、その傍《そば》....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
らか調子を改め、「さア、どうぞ。」 女中は廊下の突当りから、厠《かわや》らしい杉戸の前を過ぎて、瓦塔口《がとうぐち》の襖《ふすま》をあけ、奥まった下座敷《しも....
仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
寂しい心持になってこの山上を愛著したのである。 併し或堂内で、畳の上にあがって杉戸の絵を見ていると小坊主に咎められた。そこにあたかも西洋人夫婦を案内して来た僧....