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杉板
「杉板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
杉板の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芝居狂冒険」より 著者:夢野久作
日の照る青空が花四天に見えたりするのであろう。二三|町四方人気のないのを幸いに、
杉板の束を運び集めながら、新派旧派の嫌いなく科白の継ぎ剥ぎを復習し続けて行く。 ....
「最後の胡弓弾き」より 著者:新美南吉
みな》れた古い「味噌《みそ》溜《たまり》」の板看板はなくなり、代りに、まだ新しい
杉板に「※味噌|醤油《しょうゆ》製造販売店」と書いたのが掲げられてあった。それだ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
よろしゅうございます、こんな狭苦《せまくる》しいところでございますが」 惣太は
杉板を三枚合せて綴った戸をあけて、中へ一行を招《しょう》じ入れたが、気味の悪いこ....
「野道」より 著者:幸田露伴
した。 鼠股引氏は早速にその球を受取って、懐紙で土を拭って、取出した小短冊形の
杉板の焼味噌にそれを突掛けて喫べて、余りの半盃を嚥んだ。土耳古帽氏も同じくそうし....
「魔像」より 著者:林不忘
わ》を吹き上げている。 大通りに、木遣《きや》りの声が流れて来た。 人情
杉板挾 一 下谷長者町に、筆屋幸兵衛という、筆紙商《ふでかみしょう....
「野萩」より 著者:久生十蘭
がまえなのに、掛軸はかけず、床柱の花籠に、申訳のように薊と刈萱を投げいれ、天井の
杉板に金と白緑で萩が描いてある。こういうのが、このごろの趣味らしいが、それにして....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
といへる水茶屋《みずぢゃや》店先の図(『梅見船』巻十)を挙ぐべし。これらの家屋は
杉板と竹と網代の用法意匠余りに繊巧にして清洒なるがため風雨を凌《しの》ぐ家屋と見....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
の部屋になった二階まで上《あが》って行った。 机の上に書物は幾冊も重ねてある。
杉板の本箱も置かれてある。蘿月は紙入《かみいれ》の中にはさんだ老眼鏡を懐中《ふと....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
かけず、床柱の花籠に申訳のように薊《あざみ》と刈萱《かるかや》を投げいれ、天井の
杉板に金と白緑《びゃくろく》でいちめんに萩が描いてある。こういうのがこのごろの趣....