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材木屋
「材木屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
材木屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しに広がって行くばかりであった。 神田岩井|町《ちょう》の山卯《やまう》という
材木屋の雇い人に喜平という若者があった。両国の野天講釈や祭文《さいもん》で聞きお....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ると、あわてて女中奉公《じょちゅうぼうこう》に出した。俗に、河童《がたろ》横町の
材木屋の主人から随分《ずいぶん》と良い条件で話があったので、お辰の頭に思いがけぬ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
もなかった。大阪まで京阪で帰って、家で貰って直ぐ引きかえして来ようかと思ったが、
材木屋をしている父がこの頃糖尿病で臥込んでいることを想い出すと帰れなかった。ひょ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
前に見えた。 隣り町との町境に土蔵が二つ列んでいるところがあって、それに続いて
材木屋の大きい材木置場があった。前後の灯のかげはここまで届かないので、十間あまり....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
三十歳。若いおかみさんはお雛、二十六歳。若いおかみさんの里は、岩井町の田原という
材木屋でございます」 「お乳母《んば》さんは」 「お福と申しまして、若いおかみさ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
になってからとして、ともかくも今夜一夜を凌ぐ画策を定めた。 自分は猛雨を冒して
材木屋に走った。同業者の幾人が同じ目的をもって多くの材料を求め走ったと聞いて、自....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
生徒を世話してくれたり、見張りの船を漕いでくれたりして遠巻きに自分に絡まっている
材木屋の五十男貝原を見直して来た。必要がいくらかでも好みに変って来たのであろうか....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
男は三平を突き放して逃げようとした。 三平は帯を引っぱって武者振り付いた。
材木屋の若い者が大勢飛び出して来て二人を取り巻いた。 三平は叫んだ。 おれあ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
れろ、荷車の横を歩いていこう」 ふたりは彰義隊に見つからぬように群衆にまぎれて
材木屋の前へ出た。 「なんの用だ」と手塚は不平そうにいった。 「きみは制裁を受け....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
た、末お芽出度いお話でございます。又筏乗の市四郎は、只今では長野県へ参りまして、
材木屋を致して居ると云うことを、五町田の百姓から私が聞いて参りました、其の儘取纒....
「可愛い女」より 著者:神西清
さえて見せるのだった。「その運賃がねえ!」 彼女は自分がもうずっとずっと前から
材木屋をしているような気がし、この世の中で一ばん大切で必要なものは材木のように思....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
ほかはなかった。 しかもここに怪しい噂が起った。かの鯉を生捕ったのは新堀河岸の
材木屋の奉公人、佐吉、茂平、与次郎の三人と近所の左官屋七蔵、桶屋の徳助で、文字友....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
町に這入ります。会葬者らしいのがまだ続いて、寺の門へ向って行きます。左側に大きな
材木屋があって、種々の材木が高々と並んでいます。人の噂には、もとこの辺で草取をし....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
取って、其の儘駈出し、高橋を渡って海辺大工町を曲り、寺町から霊岸前へ先廻をして、
材木屋の処に匿れて居て、侍の向う脛を打払って遣ろうと思い、頻りと覘って居りまする....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
手数料節約の意味もあったわけだ。 次に行ったのは室谷佐兵衛、室佐という四ッ橋の
材木屋で、ここはしばらく続いた。私は松吉と名づけられたが、お家さん(奥さん)から....