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「材木座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

材木座の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ていた。それがいかにも晩春の夕暮れらしかった。 砂丘《さきゅう》をのぼりきると材木座《ざいもくざ》のほうに続く道路に出た。葉子はどうも不思議な心持ちで、浜から....
さようなら」より 著者:田中英光
、東京赤坂で生れたが、爾来《じらい》、既に胸の悪かった亡父が渋谷、三浦三崎、鎌倉材木座、姥ヶ谷と転々、居を移したのに従い、十歳頃まで一個所に安住した思い出はない....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
を例にしていたのだが、その年は是非海水浴がしたいと云う娘達の希望を容《い》れて、材木座にある、ある人の邸宅《やしき》を借り入れたのである。移る前に千代子が暇乞《....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
らお知らせします。あ……それから貴下は岩形氏の住所を御存じですか」 「はい。鎌倉材木座の八五六で岩形と承わっておりますが……」 「その他に、東京の方で事務所か何....
大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録」より 著者:宮本百合子
ならないことがある」と云ってやって来、叔母、季夫が圧死し、咲枝、一馬に助けられ、材木座の八百屋わきのトタン屋根の仮小屋に避難した由を云う。国男すぐ川島をつれ、途....
光は影を」より 著者:岸田国士
、腹のすわつた男だよ。紹介しようか?」 「どこだい、場所は?」 「その別宅は鎌倉材木座だそうだ。オフィスがこの横浜にもあつて、ちよいちよい会うんだ。待てよ、電話....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
。久慈さんというお宅、ごぞんじないでしょうか。このへんだと、聞いてきたのですが、材木座は広いので」 久慈……きょう空巣のはいった家は、たしか久慈と言っていたよ....
春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
知新聞の編集局長であった熊田葦城の書生となった。その熊田老がこの二月中旬に、鎌倉材木座の寓居で他界すると、僅かに一週間たつかたたぬかのうち、頼母木もそのあとを追....
私本太平記」より 著者:吉川英治
つつなき人”高時の下でも、俗に七|座とよぶ、米座、塩座、油座、銅座、絹座、魚座、材木座などの問屋経済の基盤やら、また、一令これぐらいな軍はいつも動かしうる実力あ....
三の酉」より 著者:久保田万太郎
みえるところまで、ぶら/\、あるきにでたことについてだった。……年ちゃんの家は、材木座で、細い砂みちづたいに行くと、海まで一丁となかった。 ――あッといって、....