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村夫
「村夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
村夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
教場にあてた学校の名も自ら「敬義学校」というのを選んで、毎日子供たちを教えに行く
村夫子の身に甘んじている。彼も教えて倦むことを知らないような人だ。正香の着くとい....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
にその交際も何のこだわりもないものだことは解っていた。庸三は葉子の思いつきで、小
村夫婦と葉子と四人で、山王の料亭で晩飯を食べたことがあったが、帰りに誘われて、古....
「黴」より 著者:徳田秋声
は、山内の父親とも相識の間柄であった。 春、笹村が幾年ぶりかで帰省する前に、笹
村夫婦と山内とは、互いに往来するほどに接近して来た。 ある晩方年始の礼に来た山....
「死の前後」より 著者:豊島与志雄
らくみち子から仕込まれたのであろうところの、その白い清潔な肌着と腰巻と紙とが、島
村夫妻の苦笑を招くこともあったが、其他の点では、彼女は一銭の金も無駄にしなかった....
「無法者」より 著者:豊島与志雄
のひとで、戦争未亡人だが子供はなく、実家に復籍していて、教養といい人柄といい、志
村夫人としてうってつけだそうである。 志村はにやにや笑った。 「それは光栄です....
「馬庭念流のこと」より 著者:坂口安吾
くりだ。現在の四天王は六十がらみ、五十がらみの人たちであるが、いずれも見るからに
村夫子。八十前後の老人が三人ほどイソイソと袋竹刀や木刀を振って道場に立つ。野良か....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
たるも意とせずフトンをかぶり通すという手の施しようもない病人であった。 家令今
村夫妻のどちらかが留守してくれると心配はないのだが、このたびはよんどころない重大....
「火の扉」より 著者:岸田国士
も、わりにすら/\とピヤノの買手がついた。M市から、音楽学校出だという若い娘が、
村夫子然とした父親と一緒に、その日の夕刻やつて来て、こつちの言い値をそのまゝ、二....
「アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
時、機体が急にぐっと右へ傾いた。私は思わずバンドにすがりつきながら言った。 『桐
村夫人はえらいね。』 『うんえらい女だ。』 私の眼底には今年六十五歳の桐
村夫人....
「荘子」より 著者:岡本かの子
わたくしがある夜、おそるおそるあなたはもう、「道」の研究はおやめになってこの里の
村夫子になってお仕舞いになりますのか、と尋ねましたら、夫がいくらか勇んで申します....
「瘤」より 著者:犬田卯
さらに、トマトや南瓜の苗を仕立てるための苗代ごしらえをしていた。おいおい彼自身も
村夫子にかえって野菜作りから麦小麦、やがて田起しまでやる覚悟だったのだ。 そこ....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
三十二三の背の高い痩せがたの婦人であって、一目でそれがこの家の女主人、すなわち大
村夫人であると分かりました。 大
村夫人は、見も知らぬ私たちの顔を見て、怪訝そう....
「謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
ていた手巾を谷村にお見せにならなかったですか」 「その必要がないからさ、手巾は谷
村夫人のものに間違いないよ。けれど、時機が来れば、見せるつもりだ」 三十分ばか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ってやらんのです。実に面白い遣り方ですが、なおそれよりも奇妙なことを私はその辺の
村夫子に聞きました。その時はそんな馬鹿げた事があるものかいい加減な事をいうて居る....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
と止った。 「誰か反対の宣伝をしたものがあったな」と、市長が考えているとそこへ島
村夫人――先の安治川菊子嬢が駆けつけて来た。 菊子は慌てて前後の話もしないで、....