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村夫子
「村夫子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
村夫子の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カーライル博物館」より 著者:夏目漱石
こへ歩みを佇《とど》めて演説者を見る。演説者はぴたりと演説をやめてつかつかとこの
村夫子《そんぷうし》のたたずめる前に出て来る。二人の視線がひたと行き当る。演説者....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
教場にあてた学校の名も自ら「敬義学校」というのを選んで、毎日子供たちを教えに行く
村夫子の身に甘んじている。彼も教えて倦むことを知らないような人だ。正香の着くとい....
「馬庭念流のこと」より 著者:坂口安吾
くりだ。現在の四天王は六十がらみ、五十がらみの人たちであるが、いずれも見るからに
村夫子。八十前後の老人が三人ほどイソイソと袋竹刀や木刀を振って道場に立つ。野良か....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
》するものも数多《あまた》ある。しかしだんだん彼らと交《つき》あってみると、実に
村夫子《そんぷうし》の中に高い人格を備《そな》えた人が、到《いた》る所にいるのを....
「火の扉」より 著者:岸田国士
も、わりにすら/\とピヤノの買手がついた。M市から、音楽学校出だという若い娘が、
村夫子然とした父親と一緒に、その日の夕刻やつて来て、こつちの言い値をそのまゝ、二....
「荘子」より 著者:岡本かの子
わたくしがある夜、おそるおそるあなたはもう、「道」の研究はおやめになってこの里の
村夫子になってお仕舞いになりますのか、と尋ねましたら、夫がいくらか勇んで申します....
「瘤」より 著者:犬田卯
さらに、トマトや南瓜の苗を仕立てるための苗代ごしらえをしていた。おいおい彼自身も
村夫子にかえって野菜作りから麦小麦、やがて田起しまでやる覚悟だったのだ。 そこ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ってやらんのです。実に面白い遣り方ですが、なおそれよりも奇妙なことを私はその辺の
村夫子に聞きました。その時はそんな馬鹿げた事があるものかいい加減な事をいうて居る....
「三国志」より 著者:吉川英治
ていた。彼は、子どもらに孔孟の書を読んで聞かせ、文字を教えなどして、もう他念なき
村夫子になりすましていた。 「また、そのうちに来るよ」 学舎の窓から雲長へいっ....
「三国志」より 著者:吉川英治
甲※さんらんたる隻眼の大将が、馬をすすめて関羽のまえに躍りかけ、 「やあ、髯長の
村夫子、なんじ何とて柄にもなき威容を作り、武門のちまたに横行なすか。すでに不逞の....