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「杓子定規〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

杓子定規の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
を作るとなると勢いその物の変化を見越してその意味を含ましたものでなければいわゆる杓子定規《しゃくしじょうぎ》とかでいっこう気の利《き》かない定義になってしまいま....
中味と形式」より 著者:夏目漱石
ころですが、もしそうするとせっかく拵《こしら》えた文法に妙に融通の利《き》かない杓子定規《しゃくしじょうぎ》のところができたり、また苦心して纏めた歌の法則も時に....
創作家の態度」より 著者:夏目漱石
ります。町人はかくあるべきもの、女房はかくすべきもの、子供はかく仕えべきものと、杓子定規《しゃくしじょうぎ》で相場がきまっております。もっともこれは双方合意の上....
弟子」より 著者:中島敦
を貶《おと》す。誰も昔を見たことがないのだから何とでも言える訳さ。しかし昔の道を杓子定規《しゃくしじょうぎ》にそのまま履《ふ》んで、それで巧《うま》く世が治まる....
風流仏」より 著者:幸田露伴
ら正直にお辰めを思い切れと云う事、今度こそはまちがった理屈ではないが、人間は活物杓子定規の理屈で平押には行ず、人情とか何とか中々むずかしい者があって、遠くも無い....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ただ誠心誠意の四字ばかりだよ――内政のことにしろ、この秘訣を知らないから、どうも杓子定規《しゃくしじょうぎ》で、さっぱり妙味というものがない。徳川氏のやり方は、....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
るようなそんな考案が、あたりの平穏な事物から浮かんできて、彼のいわゆる「修道院の杓子定規《しゃくしじょうぎ》」の中に入り込んでくるのを見ることは、フォーシュルヴ....
役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
ので、一方には尺度を要求しながら、他方においてはその尺度が相当に伸縮する、いわば杓子定規におちいらないようなものであることを希望しておるのです。それは明らかに矛....
嘘の効用」より 著者:末弘厳太郎
れば、必ずやまた不平を唱えるに決まっています。人間は「公平」を要求しつつ同時に「杓子定規」を憎むものです。したがって一見きわめて矛盾したわがままかってなことを要....
アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
出帆した。おかげで鶴見君は第一回の普選に見事当選の栄を得たのであった。伊藤船長が杓子定規だったら鶴見君のあの活躍はなかったのだともいえる。 『まあ当選したのがい....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の画風に規矩され、雪舟とか光琳とか文晁とか容斎とかいう昔しの巨匠の作に泥んだ眼で杓子定規に鑑賞するから、偶々芸術上のハイブリッドを発見しても容易に芸術的価値を与....
審判」より 著者:カフカフランツ
なかったからね」 Kはじっと監督を見た。見かけたところ年下らしい男から、ここで杓子定規の説教をされるのか? 公明正大に言ったおかげで、訓戒されるわけか? そし....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
会への道程として、都市社会主義を実行するという抱負などはもちろんないし、すべてが杓子定規である。 つい、四、五日前に、土木課の吏員と会計課の吏員とが喧嘩をした....
私本太平記」より 著者:吉川英治
は厳禁とされておる。まして今暁のような残党どものうごきもあっては」 「でも、そう杓子定規にとらわれず、そこは何とかなりませんか。いかに鎌倉のおさしずでも」 道....