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杖
「杖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
杖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
る広告を一枚貰って行く。
50
縦に見た前の往来。松葉
杖をついた癈兵《はいへい》が一人ゆっくりと向うへ歩いて行《ゆ》く。癈兵はいつか駝....
「父」より 著者:芥川竜之介
《はで》なハンケチをまきつけて、鞭《むち》かと思うような、寒竹《かんちく》の長い
杖をちょいと脇《わき》の下へはさんでいる。服装と云い、態度と云い、すべてが、パン....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
尻《しり》の切れた藁草履《わらぞうり》をひきずりながら、長い蛙股《かえるまた》の
杖《つえ》をついた、目の丸い、口の大きな、どこか蟇《ひき》の顔を思わせる、卑しげ....
「影」より 著者:芥川竜之介
らここへ紛《まぎ》れこんだか、鈍《にぶ》い羽音《はおと》を立てながら、ぼんやり頬
杖《ほおづえ》をついた陳のまわりに、不規則な円を描《えが》き始めた。…………
....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
の上明暗も相当に面白く出来ているようです。」
子爵は小声でこう云いながら、細い
杖の銀の握りで、硝子戸棚の中の絵をさし示した。私《わたくし》は頷《うなず》いた。....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
匹つれて、その人があなた煙草をふかしながら、出て来ました。やっぱり黒い服を着て、
杖をついて、ちっとも私が子供だった時と変っちゃいません……」
ざっと十年ぶりで....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
※々《そうそう》家《うち》へ帰って来た。
その晩彼女は長火鉢の前に、ぼんやり頬
杖《ほおづえ》をついたなり、鉄瓶《てつびん》の鳴る音に聞き入っていた。玄象道人の....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
け始めました。
「童貞聖麻利耶様《ビルゼンサンタマリヤさま》、私が天にも地にも、
杖柱《つえはしら》と頼んで居りますのは、当年八歳の孫の茂作と、ここにつれて参りま....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
相手に早口に何かしゃべり出した。
「どうだ、通訳しようか？」
譚はテエブルに頬
杖《ほおづえ》をつき、そろそろ呂律《ろれつ》の怪しい舌にこう僕へ話しかけた。
「....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
》になっている。――その唐物屋の飾り窓には、麦藁帽《むぎわらぼう》や籐《とう》の
杖が奇抜な組合せを見せた間に、もう派手《はで》な海水着が人間のように突立っていた....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
だいこ》の音がするだけだった。と、たちまち一方から、盲人が一人歩いて来た。盲人は
杖をつき立てながら、そのまま向うへはいろうとする、――その途端《とたん》に黒幕の....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
。しかもそれは気のせいか、彼女の眉にそっくりだった。
「…………」
たね子は頬
杖《ほおづえ》をついたまま、髪を結《ゆ》う元気さえ起らずにじっと番茶ばかり眺めていた。
（昭和二年三月二十八日）....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
知っているのは剣術ばかりかと思っていた。」
ＨはＭにこう言われても、弓の折れの
杖を引きずったまま、ただにやにや笑っていた。
「Ｍさん、あなたも何かやるでしょう....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
毛織りか、見当がつかなかった。それから髯《ひげ》も髪も、両方とも白い。手には白い
杖を持っていた。」――これは、前に書いた肺病やみのサムエル・ウォリスが、親しく目....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
などが送別の意を表して墨画の蘭竹または詩など寄合書にしたる白金布の蝙蝠傘あるいは
杖にしあるいは日を除け、道々も道中の気遣いを故郷の恋しさと未来の大望とか悲しみ悦....